『 君 が 全 て 』
「ちゃーん、隊主会に一緒に行こ。」
ちょこんと零番隊の隊長室をのぞき込めば、の姿。
だがいつもの笑顔がない。
何事かと、足を踏み入れれば・・・
「スー・・・。」
サラリ・・・とした髪に手を伸ばせば、自然と市丸の表情も優しくなる。
細く目が開く。
「ちゃん、起きぃや?隊主会、遅れんで?今なら。ギンちゃんの開眼つきやで〜。」
「ん・・・あと五分だけ・・・お願い、ギン。」
う・・・。
寝返りを打ちながらのの妖艶さ。
思わず口元を隠してしまった。
ゴクリ・・・とのどがなる。
お願い、ギン・・・って、それはルール違反ちゃいますの?
ちゃんのお願いなら、なんでも聞いてやりたいんよ、でも・・・
「ボクの所為で、ちゃんが怒られるんは、我慢出来んのや。起きて、ちゃん。」
「いや〜。」
嫌と言われても・・・。
仕方ないと小さく息を吐くと、ギンはの耳元へと口を近づけた。
フワリと息を吹きかけるように、小さく囁いた。
「ええの?ちゃん怒った奴、みんな死ぬで?」
ギンの言葉で、一瞬で目が冷めた。
チラーっとギンの顔を見れば・・・予告通り。
ニィィィ
とした笑みと、赤い瞳が少しだけ覗く、開眼した顔がそこにあった。
これは、本当に殺しかねない。
が改めて、ギンに対して恐怖を覚える一瞬の出来事。
終わり
後書き 〜 言い訳 〜
ここまで読んで下さり
心より深くお礼申し上げます。
文章表現・誤字脱字などございましたら
深くお詫び申し上げます。
執筆日 2010.11.02
制作/吹 雪 冬 牙
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