『 夢 』

、愛してる。もう、離さない・・・一緒になろう。」




目の前には、真剣な顔の日番谷隊長。
そっと頬に手を添えられる。
それが合図のように、日番谷隊長は少しづつ顔を近づけてきた。

「目・・・潰れよ。」

言われるままに、私は目を閉じた。


















その瞬間。


























ゴン!!!!




















痛撃な、痛みが額に響く。


え?


このシチュエーションで頭突きですか!?
痛みのある額を押さえながら、目を開けると・・・。




ほえ?




目の前には、真っ白い書類。
そして、机。


ん?

よくよく目の前をみれば、湯のみ。
その中には、ものさし。



えっと・・・。



子供の悪戯のような・・・
もしかして、私は此れに額をおもいっきり打ち付けたと?
クスクスとしのび笑いが脇から聞こえる。
顔をむければ、日番谷隊長。
悪戯が成功したかのように、噴出して笑っていた。

「隊長・・・。」

恨みがましくみつkれば、日番谷隊長は、笑いすぎで目から涙がでたのか指でぬぐう。

「仕事中に居眠りしてる方が悪い。」
「う・・・そうかもしれないけど・・・。」

赤くなってる額に軽く手を当てる。
ほんわか手が光だし、その傷を中和させた。

「お前な・・・その程度で鬼道使うな。」
「いいじゃん、私の霊圧なんだから、どう使おうと。」

それにしても・・・


ふわりと自然と笑みが浮かぶ。
そんな優しい笑みを日番谷が見てるとも気付かない。


良い夢だったなぁ。
しかも日番谷隊長・・・こころなしか背が高かったような気がするし。
かっこよかったかも。

「このままいくと、残業だぞ、お前だけ。
「はいはい。」

確かに、隊長の書類は随分と減っている。
乱菊の書類は相変わらずの山のようだが・・・居ないところをみると
またサボってるな。
それにしても、あと少しで、日番谷隊長とキスできたのに・・・

「はぁ・・・惜しいことしたなぁ。」

今、声に出した!?
あわてて口元を押さえたが、時すでに遅し。
日番谷隊長は、目を細めて私のことを睨みつけてきた。

「な、なんですか、隊長・・・目つき悪いですよ。」
「何が惜しかったんだ?」
「なんでもいいじゃないですか。夢の中まで、報告しないといけないんですか。」

プイと顔をそらせば、日番谷隊長がニヤリと人の悪い笑みを浮かべた。

「日番谷隊長・・・。」

突然、日番谷隊長が自分のことを口にする。
しかもなぜか、囁くかのごとく。

「って呼ばれたけどな。」
「え!?うそ!!だって夢の中で声なんてだせなかったのに!!あ。」

してやったりの顔。
こういうときの顔ばかりは、昔と何も変わらない。

「出演料だな。」
「はぁ?」
「今日の晩飯は、お前・・・ご馳走になるか。」
「ええ!?」

給料日前のこのきついときに!?
瞬間的にお財布に視線を移せば、日番谷隊長は席を立ち上がった。
そしてゆっくりと私の前に来ると、クイと顎を持ち上げられた。
自然に隊長と視線が合う。

「聞こえなかったのか?今日の晩御飯は、オ・マ・エ。」
「え・・・っとそれって・・・そういう意味?」
「さぁ?」

ニヤリと意地悪い笑みを向ける。
そして、かすめるような口付け。
瞬時に私の顔は真っ赤になった。
ふわりと日番谷隊長が、耳元に口を寄せてきた。
甘いささやき声。

「夢の中で発情してんじゃねぇよ。」


言われた瞬間、今までないくらいに顔が真っ赤になる。

「な!?違うもん!!!!」
「早く、終わらせろよ。」

そう言いながら、自然な仕草で日番谷隊長は、私のところから書類を少しだけ持っていく。
その優しさに、思わず笑みがこぼれた。

「ありがとう、隊長。」
「別に。」

視線を合わせないのは、照れ隠し。




一緒になろう・・・か。




いつか言ってくれたらいいなぁ。
幸せそうな笑みを浮かべる

まったく・・・。

惚れた弱みと言うのか・・・とことん俺はに甘ぇよな。
ま、いっか。
ふと、閉められている机の引き出しへと視線を下ろした。
この中に入ってる物を想像して、軽いため息をついた。


いつになったら、俺は渡せるんだろうか・・・。

はぁ・・・。



終わり


後書き 〜 言い訳 〜
 
 
ここまで読んで下さり
心より深くお礼申し上げます。
 
 

 
文章表現・誤字脱字などございましたら
深くお詫び申し上げます。
 

再掲載 2010.11.02
制作/吹 雪 冬 牙


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