『 赤 い あ め 玉 』

ふと書類から視線を上げた。
左側には、松本。
そして右斜め前には・・・。
三席でもあり、幼馴染みでもあるの姿。
だが、その姿に持っていた筆を折りそうな勢いで、握りしめた。
怒りを抑えるように。

・・・。」
「ん〜?」

気のない返事を返してくる。
それもそのはずだ。
は、書類を山積みにした状態で、机の上に菓子を並べて吟味しているのだ。

「仕事しろ。」
「んー。」

これまた、気のない返事。
はぁ・・・。
なんで俺の部下は、こうもサボリ癖の多い奴が揃ってるんだ。
ため息も着きたくなる。

。」
「ん〜?」
「そんなに大変か?」
「そうなんだよ!」

ガバッ!と顔を上げた瞬間。
日番谷の額に当社比8.5倍の皺。
見た瞬間は、口元を引きつらせた。

「な、なんでしょう、隊長。」
「質問に答えてねぇぞ。」
「た、大変です。」
「そうか。」

それだけ言うと、俺は無言で席を立ち上がった。
そしての横に立つと、一つの赤いあめ玉を手に取った。
包み紙を取り、中のあめ玉を手に取ると、ズイとの前へ、その手を差し出した。

「へ?」
「口あけろ。」
「え…。」
「早くしろ。」
「は、はい。あー・・・」

開けた瞬間に口の中に放り込まれる。
だが、それは勢いが良すぎて、喉の奥へとぶつかる。

「んぐ!?」

飲み込んでしまいそうになって、慌てて口を閉じて体を前へと倒した。
ケホケホっと辛そうに咳を繰り返した為に、目元が潤んでしまった。
そんな目で日番谷隊長を睨み付けた。
だが、隊長は不適な笑みを浮かべてるだけだった。

「感謝しろよ、手伝ってやったんだからな。」

ポンと頭に優しく手を載せると、また自分の席へと戻る。
そんな一通りの動作を横目で見つめていた乱菊。
パタパタと手で顔もとを煽いだ。

なーんでこの二人、ここまでやってて、恋人にならないのかしら?

ふとした疑問がわく。
明らかにお互いに一番の存在のハズなのねぇ。
日番谷隊長を見て、へと視線を送った。




終わり


後書き 〜 言い訳 〜
 
 
ここまで読んで下さり
心より深くお礼申し上げます。
 
 

 
文章表現・誤字脱字などございましたら
深くお詫び申し上げます。
 

掲 載 2010.12.31
制作/吹 雪 冬 牙


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