『 主 語 を 言 え 、 主 語 を 』
「はぁ。」
蘭「なーに、不景気な溜め息ついてんのよ。女帝と称される様が。」
その言葉に私はムッとして親友の蘭を睨み付けた。
しかし悪意のない親友の笑顔に、私は再度机に顔をうつぶせた。
蘭は優しく私の頭をポンポンと叩いた。
蘭「お待たせ。んでまーた、彼氏が浮気でもした?」
むっくりと起きあがると、チラリとは蘭の事を見た。
「そんな事でいちいち気落ちしてたら、体がいくつあっても足りない。
それにあいつの浮気は病気だから、治る見込みないから諦めてる。」
蘭「つくづく思うけど・・・寛大だよねぇ。ってば。私だったら即刻さよならだけどなぁ。
耐えられないもん。」
確かに蘭の言う事もわかる。
でも、あいつは決して自分から声をかける事はない。
だから許せる。
周りの人から声をかけられるのは、魅力がある証拠。
ある意味微笑ましい。
全然もてない男よりかは、この私の彼氏なのだからもてて貰わなくては困る。
まぁ、さすがにあいつから声をかけての浮気だったら、蘭と同意見になるけどね。
蘭「違うとなると・・・部活だね?」
私は頷いた。
そう、今一番頭を悩ませているのはこれからの大会のオーダーだ。
私は女子シングルとして出るか、ミクスドとして出るか。
監督に今日中に答えを出せと言われている。
1年の時は女子シングルスで総大将を務めたし、2年の時はミクスドで出場した。
今回はどちらにすべきか・・・。
確かに氷帝の男女共にテニスは強豪と言われている。
どちらで参加してもいいのだが・・・あいつはどう思うか。
まさかこんな事を相談出来るわけもなく・・・言ったとしても
「てめぇーの事だろ?俺が分かるわけないだろ。アーン?」
とか偉そうに言われるのがオチだし。
かと言って、目の前の親友に相談しても・・・。
私は蘭の事を見つめた。
蘭はニッコリと笑顔を作ると、私の話しを待っているようだった。
「女子部で出るか、ミクスドで出るか迷ってるの。」
蘭「そっか。中学最後の大会だもんね。」
そう言うと蘭はふと今はいないあいつの席に視線を映した。
今日はあいにく外は台風。
部活は中止になったのだが、家に帰ってもどうせ一人だし・・・図書委員の仕事があった蘭を待つ事にしたのだ。
あいつは私の事を見向きもなく、帰っていきやがった。
ま、いつものことだからいいんだけど。
蘭「私は、ミクスドかな?」
「へ?」
訳が分からず私は蘭の事を見た。
蘭はニッコリと笑うと、私の顔をのぞき込んだ。
蘭「だって、いくら高校が一緒だとしてもさ、中学って言う時代はもう二度と来ないんだもん。
私だったら好きな人と一緒に最後の想い出を作りたいから、一緒に試合したいな。」
んー・・・さすがは女の子。
しかし私にはそんな気持ちは欠片もない。
全国に優勝する事が当然とされている我がテニス部。
それを導くためには私はどちらに入るべきか。
ま、どちらに入っても心配はないんだけどね・・・この実力主義の部活は。
一度でも負けた生徒は、二度とレギュラーに戻る事は叶わない。
だから、常に緊張している雰囲気の中精神力も鍛えられる。
男女合わせて200人はいるテニス部を総括しているのは、あいつだ。
いつも俺様思考で、自分勝手で、ヤケに華やかで、でもとっても強くて、誰も寄せ付けない程のオーラを持っている。
そして何でもこなせるカリスマ性。
あの榊監督でさえも、あいつには絶大の信頼をおいている。
いちよう形だけの女子部の部長も存在はする。
だけど、私が入学してすぐに部長の他、レギュラーをことごとく負かした事によってあの当時のレギュラーは落とされてしまった。
そして、部長も学園に入ってまだ2ヶ月しかたっていない私に交代されたのだ。
それから3年間、未だに私を倒す実力の奴は入って来ない。
この先の氷帝が心配な要素の一つでもあるんだけど・・・。
私はまた重い溜め息を付いた。
蘭「ってさ、絶対にテニスに関して跡部に相談しないよね。」
「したってしょうがないもん。」
蘭「なんで?」
「てめぇーの事はてめぇーで考えろってのがあいつの口癖だから。」
蘭「でもそれって他の人にでしょ?には全然扱い違うじゃない。優しいし。」
優しい・・・ねぇ。
そりゃ、他の女子を見る目よりもいくらかは優しい。
でなけりゃ、彼氏じゃないし。
でも、あいつは甘える事が一番嫌いなんだ。
自分に対しても、人に対しても一緒。
そしてこの疑問は、人に答えを聞いて出すものじゃないって事も分かってるんだ。
自らの目で現状を把握して、自らが決断しなければ・・・氷帝女子の部長じゃないし。
蘭「も跡部も自分には厳しいよね。」
「そう?」
私はふと窓の外を見た。
ん?
校門の近くに見慣れた車が一台止まっていた。
なんだ?
私が目をこらしていると、蘭も不思議に思って一緒に窓の外を眺めた。
蘭「あらあら。ちゃんと愛されてるじゃないの。」
確かしかにあれはアイツのリムジンだ。
蘭は鞄を取り上げて扉の方へと向かった。
蘭「帰るよ。これ以上氷帝の帝王を待たせたら、あんたバチが当たるよ。」
「今は逢いたくないんだよなぁ。」
そんなぼやきに気にせず、蘭は手招きしていた。
仕方なく、私は鞄に荷物を詰め込んで席を立ち上がった。
教室の電気を消すと、私は扉を閉めて昇降口に向かった。
運転手「景吾ぼっちゃま、様が終わられたようです。」
跡部「そうか。」
跡部は傘を広げて車の外に出た。
すでに6時は過ぎていた。
これでは部活の終わる時間帯と変わらない。
不機嫌そうに溜め息をつくと、まったく会話のない高遠とが正門に歩いてきた。
跡部「随分と残されたもんだな。」
しかしはそれに無反応に、俺の事を見つめていた。
また、何か悩んでいやがる。
ったく・・・なんで俺に相談してこねぇーのか。
そんなに俺はにとって頼りにならない存在なのか・・・。
ったく、らしくねぇ。
蘭「そんじゃー明日ね、。」
跡部「高遠。お前も乗ってけ、家まで送る。」
そう言うと運転手は扉を開けて、高遠を招き入れた。
高遠は少し考えてから、の腕を引いて車の中に入った。
さすがはの親友。
よくわかってるやつ。
最後に跡部が車に乗り込むと、静かに学校を出発した。
車の中ではずっと窓の外を見つめたまま、俺の事を見ようともしなかった。
高遠も、流れ行く景色を見つめるだけで会話と言うものがまったくなかったのだ。
一体何があったのだろうか?
俺は、じっとの顔を見つめていた。
それに気が付いたのか、が俺の方を向いた。
「何?」
跡部「別に。見てただけだろーが。悪いか?」
「ふーん。」
さして興味もなさげにの視線はまた外へと向かってしまった。
そんな会話を横目に蘭は、俺の顔見て小さく微笑んだ。
なんなんだ、一体・・・。
シーンとした車の中、突然高遠の声が響いた。
蘭「あ、ここでいいわ。サンキュ、跡部。」
跡部「ああ。」
俺が先に車から降りると高遠の傘を開いて扉の前で待っていてやった。
少し驚いた表情をした高遠だったが、ニッコリと笑うと「どうも。」と小さな声で呟いて俺から傘を受け取った。
その時、高遠は小さな声で呟いた。
蘭「の事、よろしく。」
ん?
俺が車に乗ろうとして、一度高遠の事を振り返ったが、あいつはすでに家の方に歩いて行った。
軽く溜め息をつくと、俺はまた車の中に入った。
さっきまでは高遠と同じ方に座っていたが、俺の隣りいになるように座り直していた。
俺は、構わずの隣りに腰を降ろした。
跡部「俺の家に向かうぞ。いいな?」
チラリと横目で見れば、はただ頷くだけだった。
これは重傷かもしれないな。
何をそこまで悩ましているのか気になる。
最近は浮気もしてねぇーしなぁ・・・。
そんな事を頭に掠めながら、あっと言うまに跡部の別邸に付いた。
執事達が車の扉を開けると、は慣れているように車から降りて玄関の方へと歩いて行った。
俺もその後を追う。
執事「お帰りなさいませ。ご主人様がいらしてます。」
跡部「チッ。相変わらず突然の訪問だな。おい、お前はどうする?部屋に行ってるか?」
しかしは首を横に振って俺の隣りに立った。
「挨拶ぐらいするわよ。」
跡部「よし。」
俺はより一歩前を歩いて、親父がいるゲストルームへと足を進ませた。
案の定。親父は煙草をふかして優雅にお茶なんぞ飲んでいた。
父「おお、お帰り、景吾。おや。さんもご一緒だったとは。」
先程までの生気のない顔から一点して、は満面の笑みを浮かべた。
「叔父様、ご無沙汰してます。」
父「最近仕事が忙しくて来れなかったからね。」
別に来る必要ねーよ。
心の中ではそう毒つけながらも、との3人のお茶会が始まった。
親父は、の気品や性格を殊の外気に入っていて、こいつなら跡部の嫁にしても良いと言わせる程だった。
だが、の意思がどうだか。
俺はそうしたいと願っているんだけどな。
夕食までの間、少し時間が取れてと俺は部屋へと戻った。
勝手しったる・・・そんな感じでは部屋に入るといつも座るソファーに腰をかけた。
の為に買った、白い大きなクマのぬいぐるみを抱きしめると50インチのテレビのスイッチをつけて無言で見つめていた。
さすがの俺もむかついてきた。
跡部「なんなんだよ、お前。」
するとは初めて俺と目線を合わせた。
「馬鹿な質問して、嫌いにならない?」
跡部「は?」
まったく、どんな噂を聞いたのか。
呆れて俺は大きな溜め息をついた。
の隣りに座ると、は俺の返事を待ってるようだった。
跡部「嫌いになるわけねぇーだろ。話せ。」
「うーん。」
それでもはまだ迷っているらしく、少し考えていた。
これが他の女なら容赦なく、話す気がねぇなら終わりだ・・・の一言で片づけるのだが、の場合は別だ。
俺はじっとは話すのを待っていた。
するとは、クマに半分顔を隠しながらぽつりと呟いた。
「私は・・・どうしたらいいか、分からないの。」
跡部「何があった。」
「ねぇ。景吾は最後の想い出作りって必要だと思う?」
・・・は?
しばらく俺の思考は止まった。
何言ってるんだ、こいつ。
最後って・・・
この俺と別れる気か?こいつ。
俺がそんな事許すわけねぇーだろ。
一向俺の返事がないからか、はボンヤリとテレビの方を向いた。
「私は別にいらないと思うんだけどさ・・・。」
ショックだった。
俺がを何よりも大事で思いは変わらないと言う自信があるように、こいつも同じだと思っていたのに・・・。
どこで歯車が狂ったのか?
俺にはその答えが見つからなかった。
跡部「なんで・・・突然・・・。」
思うように言葉が出てこなかった。
まさかこれほどショックを受けてる自分に驚いた。
しかしの声はあくまでも冷静だった。
「どんな事しても二度と戻ってこないでしょ?確かに後悔はしたくないんだけど。」
後悔・・・。
俺はの両肩を掴んで自分の方を向けた。
ポスン・・・とクマがの膝から転げおちた。
「どしたの・・・景吾?顔が怖いよ。」
怖いって当たり前だ。
何もかもが突然過ぎて、俺の思考も限界だった。
跡部「、はっきり言っておく。俺は別れる気はねぇからな。」
しばらくの目は点だった。
妙な沈黙の後、は首を捻った。
「別れるの?私と景吾。」
跡部「今、その話ししてただろ。」
は少し考えるようにしてさらに首を捻った。
しばらく唸ってから、は俺の顔を覗き込んだ。
「テニスの話しだよ?」
跡部「は?」
「あれ、私いわなかったっけ?」
はぁー・・・。
俺は体から力が抜けるのがわかった。
の肩から手をはずすと、ズルズルとソファーに体を埋め込んだ。
跡部「・・・言ってねぇーよ。」
「あーそっか。ごめんごめん。」
たはは・・・と笑っては床に落ちたクマを拾い上げた。
驚かせやがって。
安堵の溜め息を付くと、俺はチラリと横目での事を見た。
「で?」
でってなんだよ・・・ああ、さっきの答えか。
跡部「お前、主語がないんだよ。なんの想い出か話せ。」
「んーっと、だから榊監督にね、」
そう言われて跡部は体を起こし上げた。
あいつになんか言われたのか?
俺が黙ってるとは手を顎にあてて考え込むようにして言った。
「今年の大会、シングルス大将やるか、ミクスドの大将やるか決めろってさ。
私がどちらに行けばいいのかわかんなくてさー。」
なんだよ、そんな事かよ。
跡部「はぁ。なんでもっと早くに相談してこねぇーんだよ。」
呆れたように呟くとはプウと頬を膨らませた。
「だーって、景吾そう言うこと相談すると「自分で考えろ」って言うじゃない。」
跡部「俺はお前にそんな事言った覚えはねぇーぞ。」
は少し黙った。
そう。
俺は確かに他人に対しては、常に自分の事は自分で考えろと言っている。
甘えてんじゃねぇーって思うからだ。
それなりの内容だし、自分で答えを出さなければ意味がないから。
だが、は別だ。
アイツが悩むなら、その悩みの元凶を取り除いてやりたいと思う。
出来ないなら、出来る方向に持っていくまでだ。
「そうか。」
跡部「ったく。」
「それで中学最後でしょ?最初は全国が危ない方に行こうかと思ったんだけど・・・どっちも大丈夫そうかなぁなんて思えたし。
そしたら蘭がね、中学の最後の想い出にミクスドやって一緒に優勝したらどうかって言ってきたんだ。」
成る程な。
やっぱりこいつを悩ました元凶はあの女か。
本当に曲者だぜ。
「でもさ、去年それは経験したからさー。」
跡部「俺様は何度でもお前と経験したいがな。」
はポカーンと口を開けて俺の事を見てきた。
そのあまりにも間抜け面に俺は、笑いがこみ上げてきた。
久々に豪快に笑う俺の事を睨むだったが、それすらも可愛く思えてしまって・・・。本当にこいつは俺の扱いが上手い。
しかもそれを自覚してねぇーってんだから、なおさらすげぇと思う。
跡部「、ミクスドにしろよ。お前がやるなら、俺もミクスドに変更する。」
「あれ、跡部ってシングルス1じゃないの?」
跡部「俺はお前以外ペアを組む気がないだけだ。そして、俺以外の奴とお前がペアを組むのもゆるせねーんだよ。」
そう言うと、は何を納得したのかニッコリと微笑んだ。
その笑顔に俺は顔を赤らめてしまった。
こいつの魔力だ。
本当に嬉しい時、社交事例でない笑顔。
きっと俺くらいしか見た事ないだろうな・・・。
「んじゃー私ミクスドにするわ。」
そう言うとは突然、携帯を取り出した。
どこかにプッシュすると、しばらく黙っていた。
「あ、もしもし太郎ちゃん?私、だけど。」
い!?
俺は驚いての事を見てしまった。
今電話をかけてる相手は、氷帝テニス部で恐怖の対象とされている榊監督だった。
しかも太郎ちゃんって・・・。
「うん、それでね、私ミクスドやるからー。」
何か言われているのか、は終始笑顔だった。
やっぱり、女帝と呼ばれるだけはある。
あなどれない女だ。
そんな思いを巡らしてると突然、がとんでもない一言を言い出したのだ。
「ペアはね、跡部部長とねー。うん、だって跡部が隣りで良いって言ってるよ?」
オイオイ・・・。
俺が驚いての事を見てるとは俺の方に携帯を渡して来た。
「はい、太郎ちゃんがかわれってさ。」
な・・・。
俺は恐る恐る、携帯を耳にあてた。
跡部「もしもし、跡部です。」
榊「跡部か、が迷惑をかけたな。」
!?
跡部「いえ。」
一言が精一杯だった。
部活中にと榊監督が話している所なんて見かけた事はなかった。
実際、の口から出る事もなかったし。
どーなってるんだ?
榊「本当にお前はミクスドでいいのか?」
跡部「はい、構いません。」
しばらく榊監督は黙っていた。
俺も何も言わずに黙っていると、榊監督の軽い溜め息を聞こえてきた。
榊「わかった。お前が良いなら、良いだろう。迷惑をかけてすまないな。」
あの監督があやまった!?
跡部「いいえ。」
俺はたらりと汗が流れた。
こんな監督しらねぇ。
明日からのミクスド練習の話しをして、俺はに携帯を返した。
「それじゃーそう言う事でよろしくねー太郎ちゃん。うん、うん、大丈夫だよ。
ちゃんと跡部に送ってもらうから。え?迎えに?いいってば。うん、うん、明日ねー。」
なんなんだ、一体。
俺が黙っての事を見ていると、またもや不思議そうに俺の事を見つめた。
「何?」
跡部「何じゃねぇーだろ。お前、榊監督の事・・・。」
「ああ、太郎ちゃん?だって昔からそう呼んでるんだもん。学校じゃ結構大変なんだよー。そう呼ばないようにしてるからね。」
跡部「そうじゃなくて、お前と監督ってなんなんだ?」
「従兄弟。」
きっぱりと言い放つに跡部はガックリと肩を落とした。
それで納得がいった。
1年の頃。
まだの実力も分からないはずなのに、の試合を許可した。
あっと言う間に負かした試合に対して、監督はさほど驚きもせずにレギュラーの入れ替えと部長交代を言い出した。
全て知っていたんだ。
の実力も。
それもそうだろう。
の話しによれば、にテニスを教えたのは監督自らと言うのだから。
まったく。
とんでもねぇー秘密主義な彼女だぜ。
俺がそう言うとは「聞かないからだよー。」とむくれつらをしていた。
だが。
どうやって聞けと言うのだろうか。
学校じゃまったく話さない癖に。
「ああ、帰ってから色々話すからね。学校じゃあんまり話す事ないんだよねぇー。」
なんて言いやがった。
もうすでに俺とが恋人だという事も監督は知ってるらしい。
なんでも話すからと言っていたが・・・。
しかし、よく監督が許したもんだな。
そう考えているとはニッコリとまたあの笑みを浮かべた。
「太郎ちゃんは跡部の努力の部分を凄く買ってるんだよ?」
なんて言われた。
まぁ、当たり前の事なんだがな。
フッと俺は笑みを零した。
「あーSEEDがはじまるー!!!!」
大声をあげてテレビにかじりつくに、俺は後ろから抱きしめた。
「景吾?」
跡部「いいのかよ、見てなくて。」
「あ!」
俺の方を見ていたが、またテレビの方に向き直った。
がテレビを見ている間、俺はから離れる事はなかった。
終わり
後書き 〜 言い訳 〜
ここまで読んで下さり
心より深くお礼申し上げます。
文章表現・誤字脱字などございましたら
深くお詫び申し上げます。
再掲載 2010.10.29
制作/吹 雪 冬 牙
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