『 こ の 間 の 出 来 事 を … 』
※こちらは台詞のみの文章となります事、ご了承下さいませ。
苦手な方はご遠慮下さいませ。
※居間で携帯を眺めている蘭。
コナン:(蘭?)・・・?蘭姉ーちゃん、携帯がどうかしたの?
蘭:へ!?あ・・・なんでもないのよ。
コナン:・・・もしかして、新一兄ちゃんからの電話を待ってるの?
蘭:・・・どうなんだろう。
コナン:蘭姉ちゃん・・・?
蘭:(にこ)本当に、あいつったら、たまには電話して来いっての!私がかけるといつも、留守電だし。
コナン:あ・・・新一兄ちゃん、事件に追われてる時は、でれない時が多いって言ってたよ?
※じーっとコナンを見つめる蘭。
蘭:・・・。
コナン:な、何?
蘭:本当に、コナン君て、新一の事が大好きよね。
コナン:うん!だって、すっごく尊敬してるんだ!(自分で自分を尊敬ってどーなんだよ。ははは)
蘭:そっかそっか。あんな奴でも、尊敬なんてされるのねー。
コナン:(あんな奴で悪かったな。)蘭姉ーちゃんも新一兄ちゃんの事、大好きだよね?
蘭:え?
コナン:・・・違うの?
※携帯が鳴る
蘭:あ、ごめん。コナン君。友達から電話が来ちゃったから。コナン君も早く寝ないと駄目よ?明日学校でしょ?
コナン:はーい
蘭:もしもし・・・あ!かけようか、ずっと迷ってたの!嬉しい連絡くれて。
※ぱたん
コナン:待ってたって事は、俺の事じゃねーみたいだな。
小五郎:オラ、坊主。聞き耳なんざたててんじゃねーよ。
コナン:おじさん、蘭姉ちゃんの電話の相手って、園子姉ちゃんじゃないよね?
小五郎:ああ?そう言えば、最近この時間になると、楽しそうに話していやがるな。
コナン:え。
小五郎:まぁ、蘭にとっては心を許せる奴なんじゃねーか。めったに声たてて笑わねえーかんな、あいつ。
コナン:(蘭。)
小五郎:オラ、寝るぞ!
コナン:うわっ!!
※コナンは部屋につれて行かれる。
※その頃の蘭の部屋では。
蘭:本当?どこも怪我してない?
快斗:してないよ。この怪盗キッド様が、ヘマなんてしねぇーって。
蘭:テレビで見てたけど・・・びっくりしちゃったよ。ビルから飛び降りるんだもん。
快斗:あははは。今宵のマジックはいかがでしたか?お嬢さん♪
蘭:もう!本気で心配したんだよ。
快斗:へへへ。蘭ちゃんに心配してもらえるんだったら、もっと危険な事してみっかなぁ。
蘭:ちょっと!!
快斗:それじゃ、本日最後のマジックショーを、蘭ちゃんの為だけに。
蘭:へ?
快斗:窓、開けてみな。
※窓を開ける蘭。隣のビルの屋上に、白い影。
蘭:・・・。
快斗:出て・・・来れるか?屋上に。
蘭:え?
快斗:声だけじゃ、我慢できねぇ。
蘭:すぐに行く!!
※カーディガンを羽織、そっと抜け出す蘭。
屋上まで慎重に行く。
キィ・・・
蘭:うわぁ、寒い。
キッド:春先とは言え、乙女の体を冷やす事は出来ませんから。
※後ろからキッドが抱きしめる。
蘭:キッド!!!逢いたかった!!どうして?窓に薔薇を指せば、必ず逢いに来てくれるって言ってたのに、
どうして逢いに来てくれなかったの?
キッド:探偵君が、感づいていたようなんでね。作戦を変更。でも、私はちゃんと毎日、あなたを見てましたよ。
蘭:それって・・・ストーカーみたい。
キッド:おっと、随分な言い方ですね、お嬢さん。あなたが恋しくて仕方なかった哀れな魔法使いに、
少しでも優しさを頂けると、嬉しいのですが?
※蘭はキッドの頬にキスをする。
蘭:お帰りなさい。怪我がなくて、良かった。
快斗:ただいま・・・はぁ〜・・・やーっと仕事が終わったって感じがするぜ。
蘭:くすくす・・・もう。
快斗:ここだと、すぐに探偵君に見つかりそうだからな、ちょっと夜の散歩しない?
蘭:散歩って?
※快斗は蘭をお姫様抱っこする。
蘭:うわわ!!何、よいきなり!
快斗:前に言ってただろう?乗ってみてぇって。乗せてやるよ。
蘭:え?
※ビルから落ちると同時に、ハングライダーが開く。
蘭:うわぁ♪すごーい!!!
キッド:喜んで頂けて光栄ですよ、お嬢さん。
蘭:どこに行くの?
キッド:この近くに俺の隠れ家があるんだよ。
蘭:え?この近く?
キッド:ああ。いつでも蘭に会えるようにって思ってさ。まぁ、探偵のすぐ側でスリリングな体験も出来そうだけど?
蘭:危ないんじゃない?
キッド:それは、蘭の方だと思うけど?
蘭:私?なんで?
※マンションの一室のバルコニーに降り立つ
キッド:裸足で、どうやって帰るの?
蘭:あ。
キッド:だから、俺が送っていかなと、蘭は帰れないって訳。
蘭:あー意地悪な顔して。
キッド:さ、中入ろうぜ。
※窓を開ける。
キッド:はぁー肩こった。なんか、腹減ったなぁ・・・たしか食い物が・・っと。
※キッドの帽子を無造作にソファーに置く。テーブルにモノクルを置く。
蘭は帽子を手に取る。
キッド:?
蘭:・・・。
キッド:なーにしてんの?
蘭:帽子には何も仕掛けしてないのね。
キッド:??
蘭:ずっと不思議だったのよ。帽子ってすぐに取れちゃうじゃない?なのに、キッドってば、
どんなに落ちてもどんなに早くても、絶対に帽子が取れないから、不思議でしょうがなかったの。
快斗:・・・随分と、珍しい所に目を付けるんだね、蘭ちゃんは。
蘭:へ?そうかしら?
※マントを取り、普通の格好に戻る。
蘭:うわぁ・・・いつも思うけど、快斗君って早業すごいよね。
快斗:でもま、今回は失敗しちまったけどな。
蘭:失敗?何が?
※蘭の持ってる帽子を指さす。
快斗:蘭ちゃんの手の中にあった帽子は、消せなかったから。
蘭:あ、ごめんなさい。商売道具だって言ってたのに、勝手に触って。
快斗:(にこ)蘭ちゃんは、いいよ。特別だから。
蘭:へ?・・・また、快斗君ってば何人の子にそんな事言ってるのよ。
快斗:バーか。俺がキッドだって知ってるのは、蘭ちゃんしかいねーんだから。蘭ちゃんにしか言ってねぇよ。
蘭:え?
快斗:世界広しと言えど、怪盗キッドの帽子を取れるのは、この世で蘭ちゃんだけだな。
蘭:でもご家族とかは。
快斗:家族だって、触らせねぇーよ。
蘭:(くす)
快斗:さーて、俺のお姫様は何を笑ってるのかな?
※キュっと蘭を抱きしめる。
蘭:うん。幸せだなぁ・・・って。
快斗:俺も、すっげぇ、幸せ。
蘭:快斗君って、あったかいね。
快斗:それは、蘭が目の前にいるから。普通に心拍数異常な程に早いからね。触ってみなよ。
※快斗の心臓に手をあてる
快斗:な?
蘭:私も。快斗君と会うと、心臓がドキドキするよ。色々な意味で。
快斗:えっと・・・最後の言葉はいらないかも。
蘭:ふふふ。
快斗:蘭ちゃん、俺ずっと我慢してたんだ。もう限界なんだけどさ・・・キスしていい?
蘭:(赤面)そういう事は聞かないでよ。
快斗:ほら、俺って紳士だからさ。ちゃんと相手の許可を取らないと♪
蘭:ど・・・どーぞ。
快斗:じゃ、遠慮なく。
※快斗はゆっくりと蘭にキスを送る。
だんだん深くなるキスに、蘭が快斗の胸をたたく。
快斗:おおっと、悪りぃ。つい気持ちよくって。
蘭:もう、酸欠になっちゃうよ。
快斗:蘭。
蘭:!!
快斗:可愛い。このまま、浚ってしまおうかな。
蘭:・・・怪盗キッドは、ちゃんと予告してから盗むのが、信条なんでしょ?予告してないわよ。
快斗:その場合さ、おじさんに出すべき?それとも・・・工藤?
蘭:・・・・。
快斗:・・・。
蘭:・・・新一・・・かな。
快斗:・・・自覚ありってわけか。ま、蘭ちゃんならそう答えると思ってたけど。
蘭:でも、新一は今どこにいるか分からないし。
快斗:案外近くにいるのかもしれねぇーぜ、俺みたいに。
蘭:そうよ、近くにいるなら、教えてくれれば良かったのに!!
快斗:あははは。教えたら、隠れ家にならないだろう?
蘭:それもそうだけど・・・だったら、なんで連れて来たの?
快斗:側にいるって、伝えたくてさ。
※:ギュっと抱きしめる快斗
蘭:・・・。
※突然、蘭の携帯が鳴り出し、二人はビックン!とする
快斗:電話、なってる。
蘭:うん。
快斗:出ないのか?
蘭:・・・。
※快斗は蘭の携帯を取り、電源を押す。
快斗:はい、毛利です。
蘭:な!?
快斗:(しぃー。)
新一:蘭か?おめーまだ起きてたのかよ。
快斗:そう言う新一だって、起きてると思ったから、電話してきたんじゃないの?わざわざ携帯に。
新一:まぁ、そうなんだけどよ。そっちの様子はどうだ?
快斗:こっち?別に何も変わらないわよ。
新一:ほー。蘭、おまえさ・・・新しい友達とか出来たのか?
快斗:(ニヤリ)え?なんの事?
新一:あ・・・っと、あの坊主がさ、お前が夜中に誰かと話してるみたいだって言って来てさ。
快斗:まったくもう、コナン君ってば。
新一:って事はいるのか?
快斗:いるよ。別に園子だけが友達じゃないんだから。
新一:毎晩電話するような・・・?
快斗:うん。他の学校の人なんだけどね。雨で傘忘れて、走っていたら貸してくれたのが、最初。
新一:ほぉぉぉ
快斗:それから、色々話したら、すっごく話しが合ってね。新一も、今度一緒に会おうよ。
新一:ああ、そうだな。どんな野郎か、見ておかねーとな。
快斗:すっごいかっこいいんだよ♪いつもいい匂いがしてね。
蘭:(ちょっと、快斗君!!)
新一:なっ
快斗:あ、そうそう。新一に言おうと思っていたんだけど
新一:あ?なんだよ?
快斗:・・・お前の大切な宝石。そのうちに奪いに行くから。
新一:キッド!?てめぇ、なんで蘭の携帯に!!
快斗:さーて何故でしょう?
※蘭に携帯を渡すと、一瞬で怪盗キッドの姿になる。
新一:蘭?!蘭!!おめー今どこにいるんだ!!蘭!!!答えろ!!蘭!!!!
蘭:し・・・新一・・・?
新一:蘭か!?おめー、部屋にいたんじゃねぇーのかよ!!
蘭:えっとその・・・
新一:蘭!
快斗:おっと、工藤君。レディに対して、その乱暴な言い方は、頂けませんね。少し、羽を休ませていた所に、
光る宝石を見つけたので、すこし散歩にお連れしただけですよ。
新一:なんだと!!すぐに蘭を返せ!!!!
快斗:そうですね、今日の所はお返しいたしましょうか。
※携帯を切るキッド。蘭を横抱きにして、テラスにでる。
蘭:キッド?
キッド:まったく、無粋な奴ですね。今度、奴がいないときにゆっくり。
蘭:・・・うん。
キッド:そんな憂い顔しないで。離れられなくなる。
※蘭はキュっとキッドの首に腕をからませる
※キッドはハングライダーを飛ばす。
蘭:絶対に危険な事はしないでね。
キッド:約束します。
蘭:いつか、迎えにきて・・・くれる?
キッド:(くす)喜んで。工藤は戻って来たら、その時に。
蘭:・・・。
キッド:それまでに、惜しむ別れがいくつかあるかもしれません。よく考えて。
蘭:私は、快斗君と一緒にいたい。
キッド:!!
蘭:それだけじゃ、だめなのよね・・・。
※ゆっくりとハングライダーをおろすキッド。
快斗;それだけで十分だよ、蘭。
蘭:・・・私、快斗君に蘭って呼ばれるの好きなの。
快斗:へぇ、俺の事は好きじゃないの?
蘭:好き!好きに決まってるじゃない!!
快斗:それで十分。
*チュ
快斗:時間切れかな。
コナン:蘭姉ちゃん!!!今新一兄ちゃんから電話が
キッド:よう、探偵君。さすがは、小さな騎士なだけはあるな。
コナン:怪盗キッド!!!!
キッド:それでは、ごきげんようお嬢さん。
蘭:・・・。
キッド:また、淡い月下の光の下でお会いしましょう。
蘭:・・・。
※コナンが蘭を引き寄せる
コナン:誰がてめぇなんかと、逢わせるかよ!!!
キッド:探偵君。なら、推理をするといい。
コナン:推理だと?
キッド:このお嬢さんの本当の幸せは、どこにあるのかを。
コナン:・・・。
キッド:では。
※キッドは消える・
コナン:っち!!!蘭姉ちゃん、なんであんな奴と一緒に外に出たの?
蘭:コナン君・・・新一と電話したの?
コナン:へ?・・・うん、そうだけど。
蘭:そっか。コナン君はいいね。
コナン:え?
蘭:コナン君からの電話には、新一は出るんだね。いつからかな・・・新一が私の電話に出なくなったの。
コナン:蘭姉ちゃん、新一兄ちゃんにも事情があって
蘭:前は電話して着信が残れば、必ず連絡くれたの。でも、あいつ・・・最近くれないんだ。
コナン:(いっつも一緒にいるんだから、電話する暇ねぇっての)
蘭:寒くなってきたし、帰ろうか。
コナン:う・・・うん。
※部屋の前まで来るコナン
コナン:蘭姉ちゃん
蘭:ん?
コナン:新一兄ちゃん言ってたよ。蘭の声を聞いてしまうと、帰りたくなるから、なるべく電話しないようにしてるって。
途中で帰るくらいなら、さっさと事件を解決させた方がいいからって。
蘭:・・・。
コナン:蘭姉ちゃん?
蘭:(苦笑)そうだね。私も新一の声聞いたら・・・逢いたくなるのかな・・・。
コナン:え?
蘭:おやすみ。コナンくん。
コナン:おやすみなさい。(って、オイ。どう言ういみだよ、それ。)
※蘭の部屋
窓をしめようとすると、快斗が見上げている。
蘭:(くす)(あ・し・た・ね)
快斗:(りょー・か・い)
蘭は幸せそうに微笑んでいた。
新一に見せていた、あの笑顔で・・・。
後書き 〜 言い訳 〜
こちらのシリーズは、以前にブログで掲載していた
台詞のみ作品になります。
ここまで読んでくださり
心より深くお礼申し上げます。
これにこりず、また読んで頂けますと幸いです。
文章表現・誤字脱字などございましたら
深くお詫び申し上げます。
掲載日 2010.05.10
再掲載 2010.11.25
制作/吹 雪 冬 牙