『 気 持 ち 悪 い メ ー ル 』
※こちらは台詞のみの文章となります事、ご了承下さいませ。苦手な方はご遠慮下さいませ。
※チャララーン
蘭:あ、メールだ。
和葉:もしかして、工藤君とちゃう?
蘭:え?・・・。
※怪訝そうな顔をする蘭
和葉:どないしたん?蘭ちゃん。
コナン:蘭姉ちゃん、どうかしたの?
蘭:うん・・・なんか気持ちの悪いメールが来たの。
和葉:キモいメール?どれどれ・・・
『件名:毛利蘭様
用件:2月までの君は、とても可愛いげがあったのに。』
和葉:うわっ!!なんやねん、このメール!!!気っ色悪いわぁ!!!
コナン:どれどれ?
平次:どら。
和葉:ほら、見てみぃ。
※一瞬にして、半目になる二人
平次:なんなんや、このメール。
コナン:嫌がらせか?
平次:無差別はちゃうで?件名は姉ちゃんの名前になっとるし。
コナン:だがよ、宛先が書かれないメールなんて聞いて事ねーぞ。
平次:それもそうやなぁ。
和葉:何二人でコソコソしとるん?
コナン:!?
平次:な、なんでもないわ!
和葉:何?慌てて。
平次:別に慌ててなんてないで?な、なぁ?
コナン:う、うん。
※チャララーン
全員がコナンの手に持つ携帯を見つめる。
コナン:蘭姉ちゃん、またメールが来たよ。
蘭:うん。
※受信をする
蘭:・・・なんなの、これ!?
和葉:また?
蘭:うん、ほら。
『件名:ハニーへ
用件:でも、そんな君が可愛いのさ。
だから、俺の側から離れるんじゃねぇよ!!
わかった!?(怒)
なんて言えたら、いいのになぁ・・・ねぇハニー』
和葉:(ひくっ・・・)は…
コナン&平次:は?
和葉:ハ・・・ハニーって・・・工藤君って、蘭ちゃんの事そないな風に呼んでるの?
コナン&蘭:な!?
蘭:そんなわけないでしょ!?
コナン:んなわけね;えーだろ!!!
和葉:コナン君?
コナン:(やべ)・・・って新一兄ちゃんが言ってたよ。あ・・・ははは(^_^;)
平次:あーほ。
コナン:なんだよ。
和葉:それにしても、キモイメールやなぁ。
蘭:本当。
和葉:こんなんさっさと着拒にするに限るで?
蘭:そうだね。
平次:あ、ちょっと待ちぃ、姉ちゃん。
蘭:へ?
※携帯を手に取ると平次はメールを打ち始める。
平次:件名は無題でええやろ。んで、『可愛いげがなくて、悪かったわね。』
・・・っと、こんなもんでええやろ。
蘭:服部君?
平次:こんな気持ち悪い奴、誰だかはっきりさせた方がええやろ?
蘭:それはそうだけど。
平次:それに、姉ちゃんのメルアド知っとる、誰かってのは分かってるんやからな。
蘭:え?
平次:そらそうやろ?姉ちゃんのメルアド・・・あれはどう見ても初期設定のままやないし。
別にSSメールって訳でもないって事は、一つ。
コナン:確実に蘭姉ちゃんの知り合いって事だよね。
平次:そういうこっちゃ。
※チャララ〜ン♪
平次:ほら、アホな鴨が引っかかったで?
『件名:無題
用件:つめてぇーなぁー』
和葉:なんなん!?この文章!めっちゃ腹立つわ〜!!
平次:・・・。
コナン:なぁ、服部。
平次:悪戯にしては、度ぉ超してるんちゃうか?
コナン:そうだな。
平次:姉ちゃん、最近誰ぞに告られたりされてへんか?
蘭:え?
コナン:な!?
蘭:そんな事ないわよ!!ないない!!
平次:でも、これどう考えても、姉ちゃんの知り合いやで?それもよう知っとる奴なんは、確実やで?
蘭:・・・。
コナン:蘭姉ちゃん、本当に何もないの?
蘭:あ・・・でも、そんな分けないと思うけど?
コナン:何かあったの!?
蘭:え・・・あったと言うか・・・。
和葉:何?ともかく言ってみぃ?平次やったら、絶対に解決してくれるし。なぁ、平次。
平次:せ、せやなぁ。(俺よりも、頭に血ぃのぼっとる奴が一人おるけどな。)
蘭:うん。今週の初めにね、クラスメイトで山内君って人がいるんだけど・・・。
コナン:山内?
蘭:そう。新一の斜め後ろの席の人なんだけど、何かと嫌みを言ってきたり、小学生並の悪戯
みたいなのしてきてたのね。
平次:具体的に何されたんや?
蘭:たいしたことないんだよ?ちょっと悪口言われたり。
和葉:なんやて!?最低な男やな!!!蘭ちゃんの悪口言うなんて!!な!平次。
平次:あ・・・ああ(ひそ)工藤、落ち着けや?
コナン:(ひそ)これが落ち着いてられるかってんだ!!山内の野郎!!!!
平次:(ひそ)まぁまぁ(^_^;)
蘭:それでね、あんまり嫌な雰囲気になってるのも嫌だなぁって思って、少しだけ話した
んだけど・・・
和葉:もしかして、それで勘違いしたんとちゃう?俺の事好きなんやって。
蘭:まさか!!そんな事ないと思うけど
和葉:ぜーったいに、そうやって!!!
蘭:和葉ちゃん・・・
※チャララララン
平次:っ・・・・!?
コナン:服部、どうかしのか?
平次:その和葉が言うてる事、半分以上は当たってるみたいやで
全員:へ?
『件名:無題
用件:今日、ハニーに会えないの、寂しいな。
俺が寂しいと思ってるんだから、ハニーも思えよな!!!』
和葉:うわぁ・・・何これ。一人で盛り上がってるんちゃう?
平次:ほんまやな。
コナン:・・・。
平次:どないする?工藤。
コナン:服部、その携帯貸してくれ。
平次:ええけど、どないするんや?
コナン:こうするんだよ。
『転送:園子』
※数秒後、園子から電話がかかってくる
コナン:蘭姉ちゃん、園子姉ちゃーんから、電話だよ。
蘭:え?はい、もしもし?
『園子:蘭?何、このメール!!何かあったの?』
蘭:え?
コナン:さっきいじってたら、園子姉ちゃーんに転送しちゃった。ごめんね、蘭姉ちゃん。
蘭:もう、コナン君ったら。あ、ごめんね、園子。コナン君が
『園子:そんな事はどうでもいいのよ!誰よ、あんなメール!!まさか新一君じゃないでしょうね!?』
蘭:ち、違うわよ。それに、新一はあんな頭ごなしな書き方しないもの。
『園子:じゃ・・・まさか、山内?』
蘭:かもしれないなって。
※脇から携帯をとる平次
平次:すまんな、姉ちゃん。その話、詳しく聞かせてくれへんか?
『園子:え?服部君?』
平次:ああ。その山内ってのなんやねん。
『園子:れっきとした彼女がいるのに、蘭にしつこくしてくる男よ。告白する勇気も、
彼女と別れる勇気もない、最低な男よ。』
平次:なるほどなぁ。
『園子:だから言ったのよ、蘭には。あんな男に情けをかける必要なんてないって。
ド変態なんだから。』
平次:・・・姉ちゃん、コイツの電話番号知らへんか?
『園子:知らないわよ。あ、でも他の子に聞けばわかると思うけど。』
平次:なるほどな。参考になったわ、ありがとさん。
『園子:あ、服部君!!』
平次:ん?なんや?
『園子:新一君がいない分、蘭の事・・・よろしくね。』
平次:ああ、まかしとき。坊主もおるしな。
『園子:そうだね。よろしく。』
平次:ほな、な。
※電話を切る
和葉:何、勝手に切ってるん?平次!!
平次:あ、しもた。悪いなぁ、姉ちゃん。
蘭:ううん。
コナン:蘭姉ちゃん、これ新一兄ちゃんに話そうよ。新一兄ちゃんだったら、
なんとかしてくれるよ。
和葉:そうや!その通りやで、蘭ちゃん。工藤君に話した方がええって。
蘭:駄目!だめよ、コナン君。
コナン:え?なんで話したら駄目なの?
蘭:新一、事件で忙しいのに・・・こんな事で煩わしたくないの。
コナン:でも。
蘭:大丈夫よ。こんなの無視しておけばいいんだから。
※メール着信に設定する。
和葉:ほんまに大丈夫なん?
蘭:うん(苦笑)
コナン:・・・(蘭・・・。)
※半年後
平次:山内言うんわ、あんたのことやな。
山内:誰ですか、貴方。
平次:工藤の代理のもんや。
山内:はぁ?工藤君の?
平次:毛利の姉ちゃんに、随分とご執心らしいみたいやな。
山内:何の話しだか分からないよ。用事がないなら、失礼するよ。
平次:ちょー待てや。
※山内の前にコナンが現れる
コナン:(にこぉぉぉ)新一兄ちゃんからの伝言だよ。
山内:?
コナン:『蘭に手ぇ出すなら、それなりに覚悟しておけよ』ってな。
山内:なんでそんな事を君たちに言われないといけないんだよ。
平次:アホなやっちゃなぁ。BCCで出せば、配信者がわからんと思うたんやろうけど・・・
あの姉ちゃんの携帯な、アドレス帳に入っとる奴しか受信せぇへんようになってるんや。
山内:別に、俺は彼女にメールなんてしてない!!妙ないいがかりは止めてくれないか。
平次:・・・どないする、コイツ。マジでとぼける気みたいやで?
コナン:そうだな。
山内:彼女からのあメールは来た事はあるけど、俺からのメールはないよ。なんなら送信履歴を
見ればいいだろ!?
コナン:送信履歴なんて、簡単に消せるからね。別に見ても意味ないよ。
平次:ほなら、一つだけ教えたたろか。
山内:な、なんだよ。
平次:刑事っちゅーのはな、特別権限で携帯の送受信履歴を携帯屋から貰えるや。別に関西警察から
調べてもええんやけど、工藤の声一つで警察は簡単に動くで?
山内:な!?・・・ち、違うんだよ。彼女から、俺にこんなメールを・・・
※メールを見せる
コナン:(フッ)残念だったな。それは俺が蘭の携帯から、お前に出したメールだよ。
山内:!?
平次:ご丁寧に全てに返信してきて、ほんまご苦労さんやな。それにしても、異常やな、お前。
山内:・・・
平次:普通、せぇへんで?たった半年で650通のメールなんて。いくら、メールが好き言うても、
これは異常者の域やで?彼氏言うやったら、わかるけどな。
山内:べ、別に冗談じゃないか。それを真に受ける方が、どうなんだって話しですよ。
平次:いくらなんぼでも、メール内容も「冗談」の域から外れとるで?
山内:俺と・・・彼女は・・・俺達は前世の夫婦だったんだ!!自分の妻の事を気にかけて、どこが悪いんだよ!!
平次:ほんまに救いようのない、アホやな、自分。
山内:なんだと!?
平次:何処の誰が、前世の事なんかわかるんや?気が合う、気になる度に、前世やその前や言うてたらキリないで?
山内:それに、彼女だって、楽しんでやってたじゃないか
コナン:お前、蘭がどれだけ精神的に追い詰められていたか、考えた事なかっただろ?
山内:精神的に追い詰める?
コナン:お前がメールを出せば出すほど、冗談と言う名目上で言いたい放題。蘭がそれに対して怒れば、お前は
「冗談」だと逃げる。それだけじゃねぇ。蘭を孤立させる為に、蘭からのメールを転送したり、人に見せたりして、
随分と陰で言ってくれたみたいじゃねぇか。
山内:・・・それは
平次:何人かが、教えてくれよったで?工藤の名前だしたらな。
山内:くっ・・・
コナン:蘭を追い詰めた礼をしなくちゃなんねぇな。
山内:ガキのくせに!!
コナン:おっと。
※コナンを蹴り飛ばそうとするが、簡単によけられる
コナン:おめぇの蹴りなんざ、怖くもねぇよ。蘭が傷ついた分、きっちり礼させてもらうからな。
平次:あんたがあの姉ちゃんに出したメール。姉ちゃんの親友の園子ちゅー姉ちゃんにも同時転送してあるからな。
どんなにあんたが「嘘」や「冗談」や言うても、どう思うか・・・。
コナン:どの文章にも最後に「冗談」として言い訳出来るように、いつもやり方は同じ。
平次:ほんまにアホなやっちゃなぁ。アホの前に、あんたみたいんは、男とちゃうで。彼女と別れる気も浮気する
気も告白する気もないんやからな。
山内:・・・。
コナン:これ以上、蘭に近づくんじゃねぇよ。今後、変なメール出しやがったら・・・
山内:なんだよ
コナン:セクハラで訴える事だって出来るんだぜ?だてに蘭の家に「弁護士」がいるわけじゃねぇからな。
それに、蘭の事を特に可愛がってる弁護士だ。どんな手を使ってでも、お前を社会的に抹殺するなんて、
わけねぇって事・・・よーく肝に銘じておいた方が身のためだぜ?
平次:よぉ、わかったか?兄ちゃん。
山内:・・・認めたく・・・なかったんだ。好きだって・・・認めたら・・・負けるような気がして・・・
※呆れたようにみつめる平次とコナン
平次:ほんまに、最悪なやっちゃな。
コナン:蘭に決まった奴がいねぇと思って・・・ちょっかい出してんじゃねぇよ。
平次:あの姉ちゃんは、あんたのような男に落ちる女やあらへんで?それにな、姉ちゃんには・・・
※チラリとコナンを見る
平次:もうずーっと前から心に決めた奴がおるんやから、あんたの入る隙なんてあらへんで。
コナン:・・・。
平次:そいつ以外、姉ちゃんは好きにならんって・・・一度決めた事らしいからな。
コナン:(・・・蘭・・。)
平次:ともかく、次はないと思えよ?いくぞ、坊主。
コナン:う、うん!
後書き 〜 言い訳 〜
こちらのシリーズは、以前にブログで掲載していた
台詞のみ作品になります。
ここまで読んでくださり
心より深くお礼申し上げます。
これにこりず、また読んで頂けますと幸いです。
文章表現・誤字脱字などございましたら
深くお詫び申し上げます。
掲載日 2010.06.03
再掲載 2010.11.25
制作/吹 雪 冬 牙