タイトル 「 初めてのキス・・・ 」


こちらは小説「赤と青の絆」設定のオマケイラストです。
幻海師範のお寺の近くの海のイメージで描きました♪
蔵馬とぼたんの初キス・・・の割には、二人とも余裕な表情?


まぁ、お互いそれなりの年数を生きてますから・・・
あんまし深く追求しないでくださいませ。
(って言うか、初キスじゃないんよなー。蔵馬は寝てるぼたんにキスしたし・・・。)
まぁ、お互い承認(?)した初めてのキスって奴ですね。


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「 赤と青の絆 番外編 初キス 」


幻海師範の墓参りを終えて、ふと道場に視線をやり、蔵馬はフッと目元を細めた。
懐かしいな。

ぼたんへどう接していいか分からずに避けていたあの時。
好きすぎて、どうにかなりそうだったあの頃。


今思えば、もっと簡単な事だったと言うのに、どうしてあんなに悩んだのか。
ぼたんを泣かせてまで。
それを思い出して、苦笑した。

「蔵馬ー!幽助達、まだ来てないみたいだよ!どうする?」

道場からひょっこり顔をだしたのは、愛しい存在。
ぼたん。
蔵馬は、ゆっくりとした歩調でぼたんへと近づいた。

「まったく、もう夕暮れ時だってのに。何やってんだろーね、みんな。」
「それじゃ、少し時間を潰しますか?」
「そうだねー、それしかないねー。」

ぼたんがトンと靴を履くと、俺はふと門の方へと視線を送った。

「それじゃ、行きますか。思い出の渚へ。」

思い出の渚。
幽助と螢子ちゃんが初めてキスを交わした場所。
蔵馬とぼたんの中では、あの海の事をいつもそう呼んでいた。

「そうだね、久々にいきますか!思い出の渚へ」

ぼたんと蔵馬はゆっくりと『思い出の渚』へと足を向けた。
途中にたわいもない話をして、笑い合い、気が付けば、二人は自然と手を繋いでいた。
海につくと、ぼたんはしばらく夕日を懐かしそうに見つめていた。

「どうかしましたか?」

その淋しいそうな横顔に、蔵馬は自然と言葉がついてでた。
ぼたんも苦笑していた。

「時間って流れるのは早いものだね。私は霊界人だから、100年や200年、なんともないけど
人間にとっては、短くて早い。数十年後には、幽助達を迎えに来ないといけないと思うとね。」

水先案内人のぼたん。
いつかは訪れる「別れ」と言う事実。
蔵馬は、ぼたんが消えてなくなるような・・・そんな錯覚に陥り、咄嗟に手を
伸ばし、ぼたんを自分の胸の中にしまいこんだ。

「くくく、蔵馬?」

瞬時に真っ赤になるぼたん。
そんな初々しい反応に、蔵馬はにっこりと笑みを向けた。

「俺は、ずっとぼたんの側にいますよ。100年も200年もね。」
「蔵馬だって半分は人間じゃないか。」
「でも、半分は妖怪ですから。時間をかければ、きっと肉体も完全に妖怪化しますよ。」

おどけたように言っても、ぼたんの不安そうな瞳なまま。
ふと、蔵馬は笑みを消した。
そっとぼたんの頬に手をあてると、クイ・・・と上に向かせた。

「だったら、誓いをたてます。」
「えっ・・・!!」

ぼたんが聞き返す間もなく、蔵馬の唇がぼたんの唇に重なった。
ほんの刹那な時間。
二人の唇が離れると、蔵馬はこれ以上ないくらいの優しい声で
ぼたんの耳もとで囁いた。

「俺は神には誓いはたてない。でも、ぼたんになら誓えます。
これから先ずっと、どんな事があっても、俺はあなたから離れない。決して。」


「蔵馬・・・。」




お互いに見つめ合い、海の音だけが耳に入る。
蔵馬とぼたんは、どちらともなく唇を合わせた。

深い愛情をお互いに伝え合うように・・・長い長いキスを繰り返した。


それ以降、この海は「幽助達の思い出の渚」だけでなく
「自分たちの思い出の渚」になったと言う。


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マスター 冬牙