注意:こちらの作品は小説ではなく会話形式になっております。
嫌悪感を抱く場合がございますので、ご了承の方のみ
ご覧下さいませ。
「 新婚旅行 」
*霊界 ぼたんの部屋
コンコン
蔵馬:ぼたん、入るよ?
ぼたん:うん。
蔵馬:(くす)まだ決まらないの?
ぼたん:そりゃそうさ!新婚旅行だよ?新・婚・旅・行!!真剣に悩むさ。たった一度き
りなんだから!
蔵馬:そうだね。まだ時間はたっぷりあるんだから、ゆっくり考えればいいよ。
ぼたん:うーん。(悩)
蔵馬:(俺の言葉は耳に入れてもらえないのか。)どこで迷ってるの?
ぼたん:んー、どこも素敵なんだけどさぁ・・・ハワイ・サイパン・パリ・エジプト。
蔵馬:エジプトって・・・(汗)
ぼたん:蔵馬はどっか行ってみたい所はないのかい?
蔵馬:俺はぼたんと一緒だったらどこでもいいよ。(ニコ)
ぼたん:だーめ!!それじゃ、駄目なの!!一生の想い出にするんだから!!
蔵馬:?なんでそんなに新婚旅行にこだわるの?
ぼたん:(赤面)夢・・・だったから・・・。
蔵馬:夢?
ぼたん:霊界人の私には恋愛とか結婚なんて出来ないって思ってたから・・・憧れてたん
だよ。ずっと。
蔵馬:ふーん。ずっとって、どのくらい前から?
ぼたん:(ギクッ)そんなの忘れちまったよ。そのくらい昔からって事だぁね。(照)
蔵馬:じゃ、ぼたんの一番の願い事が叶った訳だ。
ぼたん:うん!あーーーーーーーーーーー!!!
蔵馬:(びっくり)どうしたの?ぼたん。
ぼたん:(ニッコリ)あったよ、行きたい所!!
蔵馬:?
****************************************
*新婚旅行当日*
蔵馬:はぁ。
ぼたん:るん♪
蔵馬:(なんで・・・どうして・・・よりにもよって新婚旅行が『魔界』なんだ!?)
ぼたん:?どうしたのさ、蔵馬。
蔵馬:いえ・・・別に。ぼたん、一つ聞いてもいい?
ぼたん:何?
蔵馬:どうして新婚旅行の先が『魔界』なわけ?人間界の方が安全だし、綺麗な所もいっ
ぱいあったと思うんだけど・・・。
ぼたん:人間界はさ、いつでも行けるじゃないか。
蔵馬:魔界だって、これからここに住むんだから来なくてもいいだろ?
ぼたん:いいの、いいの!さて、どこから行こうかなぁ〜っと。
*地図を広げるぼたん
蔵馬:?何、ソレ?
ぼたん:へっへーん!黄泉がね、魔界を旅行するならコレがいるだろうってくれたんだよ
蔵馬:?
*地図には『全魔界パンフガイド!!観光名所もこれ一発で解る!!!』と書かれいる
蔵馬:・・・(こんなものがなんで魔界に・・・)
ぼたん:まずは・・・安全地帯からにしようかね。
蔵馬:楽しそうだね、ぼたん。(ぐったり)
ぼたん:うん!だって蔵馬が生まれて育った故郷だもんよ!昔の事は関係ないとは言って
も、やっぱり知りたいじゃないさ。蔵馬が育った魔界をね。(照)
蔵馬:(唖然・・・)あの・・・それで魔界に?
ぼたん:そうだよ。それ以外に魔界に興味持つ理由なんてないさね。
蔵馬:(どうして・・・どうして彼女はいつも俺の欲しい言葉を欲しい時にくれるのだろ
うか?どうして・・・)
ぼたん:蔵馬!早く早く!!
蔵馬:(本当に・・・手放したくないよ、ぼたん。)ぼたん、ちょっと待って。
ぼたん:へ?
*蔵馬は秀一の姿から妖狐に変化する
ぼたん:へ?へ?なんで、妖狐に変身しちゃうのさ?
妖狐:こっちの方がお前を守りやすいからな。それとも、秀一の姿の方がいいか?
ぼたん:・・・。(くす)別に、どっちとも蔵馬にかわりないからね!
妖狐:(ほっ。)では、行くぞ。
ぼたん:うん!
*蔵馬はぼたんをお姫様抱っこする。
ぼたん:くくくくく蔵馬!?
妖狐:なんだ?
ぼたん:なんだじゃなくて、私櫂があるから平気だよ?
妖狐:そんなもので飛んでいたらあっと言う間に魔族の餌になる。それにこっちの方が早
い。
ぼたん:そりゃ、そうだけど・・・重いだろ?
妖狐:フン。お前が重かったらこの魔界じゃ生きていけないな。質問はそれだけか?
ぼたん:・・・うん。
妖狐:なら、行くぞ。最初はどこに行くんだ?
ぼたん:え・・・?
妖狐:お前、今までそれで悩んでいたんじゃないのか?
ぼたん:あーああ、そうだった。えっとねぇ
妖狐:・・・そんなにこの姿は落ち着かないか?
ぼたん:・・・。
*ぼたんは蔵馬の胸を軽く叩く。
ぼたん:蔵馬が綺麗過ぎるからドキドキが止まらないんだよ!!バカ!!
妖狐:バカ・・・か。この俺に「バカ」呼ばわりしたのはお前が初めてだな。(ククク)ぼたん:へ!?
妖狐:行くぞ。
ぼたん:え?行くってまだ場所言ってないじゃないさ。
妖狐:(クッ!)
****************************************
*魔界草原
ぼたん:なんで、ここだってわかったんだい?
妖狐:ん?お前が先程から目で追っていた場所が大体この辺りだったからな。
ぼたん:そんなんでわかるのかい?
妖狐:まぁな。行くぞ。
ぼたん:そうだ、幽助達にお土産とか買いたいねぇ。
妖狐:人間界じゃないんだ。そんなものあるか。
ぼたん:チッチッチ!写真とかだよ!
妖狐:写真・・・ねぇ。
****************************************
*数カ所回った後、休憩がてら近くの大木にいる二人。
妖狐:次は何処だ?
ぼたん:うーん・・・。
妖狐:(クスッ・・・)
ぼたん:あそこも見たし、ここも見たし・・・後はないかな?
妖狐:終わりか?
ぼたん:そうだね。この地域は終わりかな。
妖狐:そうか、日暮れまでにまだ時間があるな。ちょっと付き合って貰うぞ。
ぼたん:へ?
*言うが早いが蔵馬はぼたんを抱きかかえる
****************************************
*何もない草原
ぼたん:ここは・・・?
妖狐:・・・今は何もなくなっていたのか。残念だな。
ぼたん:残念?
妖狐:ここは俺が生まれた銀妖狐一族の縄張りだ。俺はここで生まれここで育った。
ぼたん:じゃ、ここが本当の故郷・・・?
妖狐:故郷か・・・そう言うことになるな。数百年、ここには近付きもしなかったがな。
ぼたん:じゃ、どうして今ここに・・・
妖狐:お前が見たいと言ったからな、俺の過去を。
ぼたん:蔵馬。
妖狐:親など気がついた時にはいなかった。この魔界の事だ、それが日常茶飯事。気が付
けば、親や兄弟は殺され餌になっているような世界だ。別に驚く事も悲しむ事もな
い。弱かったのが悪いだけだ。
ぼたん:・・・そう考えないと生きていけないのかもしれないね。小さい時は。
妖狐:さぁな?痛みに鈍感になっているから、今でもその感情は沸かない。だから理解で
きないがな。ただ・・・
ぼたん:ただ?
妖狐:お前には見せておきたかった。この場所を。
ぼたん:蔵馬・・・ありがと。
妖狐:もう日も暮れるな。そろそろホテルに戻るか。
ぼたん:そうだね。
*その場から去る二人
****************************************
*ホテル
ぼたん:ありがとう、本当に今日は楽しかったよ!
蔵馬:お気に召して頂けたなら光栄かな?
ぼたん:そうだねぇ、今日は憧れの妖狐ともデートが出来たし!!
蔵馬:へ?
ぼたん:(クスクス)おや、言わなかったかい?私は蔵馬が秀一と融合する前から憧れて
いたんだよ。伝説の盗賊、美の化身とも言える妖狐・蔵馬にね!!
蔵馬:それって・・・(赤面)
ぼたん:今思えば初恋なのかもしれないねぇ。その頃だったからね、結婚とかに憧れたの
もね。(ニコ)
蔵馬:・・・ぼたん。
ぼたん:でもまぁ、伝説の妖狐・蔵馬は来るモノ拒まずだって言う噂は聞いた事があった
ねぇ。特定の女は作らずにしてるって言うのも。(ジロリ)
蔵馬:(冷汗)あ・・えっと・・・それは・・・その、昔の事だし・・・。
ぼたん:と言う事は、その噂は真実だった・・・て事だね。はぁ・・・。
蔵馬:(苦笑)ぼ、ぼたん・・・機嫌治してよ・・・。
ぼたん:・・・・・・なーんて、嘘だよ〜ん。そんな事気にしてたら、結婚なんてしない
でしょ!?わーい、蔵馬が引っかかった!引っかかった!わーいわーい!!
蔵馬:・・・ぼたん!!(赤面)
*後ろからぼたんを捕まえる蔵馬。
ぼたん:(笑)うわぁー、ごめんごめんって!
蔵馬:からかい過ぎ!
ぼたん:だーって、私だけ告白するのシャクだったんだよねぇ。
蔵馬:・・・(クス)
*抱きしめる腕に力を込める蔵馬。ぼたんの肩に顔をうずめる。
ぼたん:蔵馬?
蔵馬:確かにぼたんの言ってる事は間違いない。事実だよ。
ぼたん:・・・やっぱり・・・。(半泣き)
蔵馬:ぼたん。
ぼたん:ん?
蔵馬:愛してるよ、ぼたん。
ぼたん:(赤面!!!!!!)
蔵馬:この言葉を使ったのは・・・今が初めてだよ。そして、これからも君にだけしか言
わないから。覚悟しておいて。
ぼたん:蔵馬・・・恥ずかしいじゃないか・・・。
蔵馬:(クス)そう?自分の気持ちを正直に言ってるだけだから。ぼたんは?
ぼたん:へ?
蔵馬:ぼたんは、どうなの?俺の事。
ぼたん:す・・・好きに決まってるじゃないか。
蔵馬:「好き」なの?
ぼたん:(赤面)・・・。
蔵馬:(ニヤ)それじゃ、これからゆっくり聞かせてもらおうかな?
*ぼたんを抱きかかえると寝室へと消えていく蔵馬とぼたん。
****************************************
*数日後
ぼたん:じゃ〜ん!たっだいまぁ!!!
黄泉:お帰り、ぼたん。旅行は楽しかったか?
ぼたん:うん!そりゃー蔵馬がいたからね。
躯:ほぉ、それは何よりだな。それよりぼたん、飛影の所に行ってくれ。
蔵馬:(ピクっ!!)
躯:ここ数日と言うもの、機嫌は悪いは、ミスは続出するは、使いモノにならん。
ぼたん:どっか調子でも悪いのかねぇ?わかった、後で寄ってみるよ。
蔵馬:じゃ、俺も一緒に行くよ。
ぼたん:うん!
躯:はぁ(勝手にやってろ。)
*躯はその場から去る
ぼたん:あー、躯!!
躯:コレ、ごちそーさん。
ぼたん:(クス)どういたしまして!
黄泉:ぼたん。
ぼたん:?
黄泉:いつからこちらに住まうのだ?
ぼたん:んー霊界の方の仕事の引継とかあるからねぇ、2ヶ月くらいたってからかな?
蔵馬も色々と人間界の方の事もあるらねぇ。
蔵馬:そうだね、そのくらいになると思うよ。
黄泉:そうか、お前達の為に部屋を用意してあるから、いつでも来れるようにしてある。
日にちが決まったら教えてくれ。修羅と共に引っ越しでも手伝うからな。
ぼたん:(にこ)ありがとうよ、黄泉。
黄泉:あ・・・ああ。気にするな。(赤面)
蔵馬:・・・(怒)
ぼたん:あ、ゆーすけ!!
幽助:んあ?
ぼたん:これ、お土産だよ!!ありがたく思いなよぉ!!
*幽助の方にかけて遠ざかるぼたん
黄泉:(クス)お前もこれから苦労が絶えそうにないな。
蔵馬:まぁね。(クス)
*ぼたんと幽助の言い合いを微笑ましく眺める蔵馬と黄泉
蔵馬:(本当に、苦労が絶えそうにないよ。)
終わり
こちらは高校生の時に書いた、会話文です。
何故、会話文かと言うと・・・実はコレ、漫画のプロントだったんですね。
でも画力が無いために、断念したお話です(^_^;)
ここまで読んで下さった皆様、本当にありがうございました。
誤字・脱字などございましたら、
深くお詫び申し上げます。
マスター冬牙