注意:こちらの作品は小説ではなく会話形式になっております。
嫌悪感を抱く場合がございますので、ご了承の方のみ
ご覧下さいませ。
『認識』
*蔵馬の家
雪菜 :そうですか・・・まだ兄の情報は得られませんか・・・。
*ぼたんと蔵馬はお互いを見合う
ぼたん:まぁまぁ、そのうちに情報も集まるって!なんてたってあんなに広い魔界の事だ
からね。そう簡単には情報は集まらないよ。
雪菜 :・・・そうですね。
ぼたん:何かわかったらすぐに教えるからさ!それに蔵馬もちょくちょく魔界に顔を出し
てるから、掴めると思うし
雪菜 :はい、蔵馬さんよろしくお願いします。
蔵馬 :わかりました。
ぼたん:さ、早く桑ちゃんの所に戻らないと心配するから。送っていくよ。
雪菜 :あ、すみません。ぼたんさん
ぼたん:良いってことさね。どちらにしても夕食の買い物もあるから
蔵馬 :あ、ぼたん俺も行くよ
ぼたん:うん。
*外
雪菜:すみません。本当に。
蔵馬:気にしないで下さい。それに女の子を一人で歩かせる時間ではないですからね。
ぼたん:クスクス。蔵馬はね、5時過ぎるといつもこう言うんだよ。
雪菜:そうなんですか。
ぼたん:『逢魔が刻』って知ってる?
雪菜 :オウマガトキ・・・?いいえ。
ぼたん:自然とね魔界と人間界が繋がってしまう時間帯なんだよ。まぁ、出現場所は誰に
もわからないってのが厄介なんだけどね。
雪菜 :飛影さんがおしゃっていたたまに人間が魔界に迷い込むと言うのは、それが理由
なんですか?
ぼたん:うーん、どうなんだい?蔵馬
蔵馬 :おそらくそうだと思いますよ。
雪菜 :あ、ここでもう大丈夫ですから
ぼたん:駄目だよ!ちゃーんと桑ちゃんに渡さないとね!
蔵馬 :ぼたん、その必要ないみたいだよ
ぼたん:へ?
桑原 :ゆ・き・な・すゎ〜ん!!!
雪菜 :和馬さん!
ぼたん:おやおや、こりゃみせつけられちゃったねぇ
蔵馬 :苦笑
桑原 :ぼたんちゃんへの用事は済んだんですくわ!?
雪菜 :はい。(くす)では、今日は本当にありがとうございました。
ぼたん:どうしたしまして。また、遊びにおいでよ
蔵馬 :それじゃ。
*桑原と雪菜をしばらく見送る。
ぼたん:いいねぇ、雪菜ちゃんは
蔵馬 :何がです?
ぼたん:桑ちゃんやみんなに愛されて、心配してもらってさ
蔵馬 :俺だけじゃモノ足りない?
ぼたん:!?ちっ違うよ!そう言うつもりで言ったんじゃなくて・・・
蔵馬 :(くす)帰りますか。
*ぼたんと手をつなぐ蔵馬
ぼたん:(赤面)!!・・・・うん。
蔵馬:(くす。)
*夕食
ぼたん:それにしても、飛影は本当に名乗る気がないのかねぇ。
蔵馬 :そうだな、飛影には全くない感じだけどね
ぼたん:うーん、名乗って上げた方が良いような気がするねぇ。このままじゃ、雪菜ちゃ
んは一生飛影を探さなきゃならないじゃないのさ。
蔵馬 :確かにそうですけど、彼なりに考えがあるんじゃないのかな?俺達みたいなS級
妖怪には敵が多いですからね。名をあげる為には、手段なんて選ばないですから。
名乗った所で無理に危険に巻き込む訳にも行かないですからね。
ぼたん:危険か・・・私だったら安全な所にいるよりも、危険な所でもその人と一緒にい
たいけどなぁ
蔵馬 :それは恋人の場合でしょ?
ぼたん:恋人も兄妹も関係ないさね。大切な人とはいつでも一緒にいたいと思うけどなぁ。
蔵馬 :そうですか?
ぼたん:だって、飛影は雪菜ちゃんが妹と認識して近くにいて見てられるけど、あんなに
も必死に探してる雪菜ちゃんは逢えないんだよ?可哀想じゃないか。
蔵馬 :まぁ、確かにそうですけど・・・会わない方が幸せと言うこともありえますよ。
それに・・・多少気付いてるんじゃないのかな?雪菜ちゃん。
ぼたん:やっぱりそう思うかい?私もそんな気はしてたんだけど・・・
蔵馬 :飛影は敵が多いから、名乗れば確実に雪菜ちゃんや桑原君までも命の危険にさら
されますよ。
ぼたん:うーん、蔵馬も昔は敵が多かったんだろう?
蔵馬 :まぁ、俺を倒せば多少の名はあがりますからね。
ぼたん:・・・(ジーーーー)
蔵馬 :??何?
ぼたん:前に幽助に聞いたんだけど、魔界でも蔵馬ってすごく人気があるんだってね
蔵馬 :ぶっ!!
ぼたん:あーあー、何やってんだい?大丈夫?
蔵馬 :ケホケホッ!に・・・人気って
ぼたん:うん。なんでも妖怪の雌がすごく群がっている所を見たんだって。
蔵馬 :(何時のことだろう・・・?)
ぼたん:でも、妖狐の蔵馬は美の化身みたいだから、わかるけどね。
蔵馬 :今では駄目ですか?
ぼたん:何を言ってるのかねぇ。さんざん街中歩いている間に女の子の視線釘つけにして
るくせして
蔵馬 :・・・別にいちいち気にしてませんからね。
ぼたん:蔵馬らしい。・・・うーん、でもさっきの話しに戻るけど、飛影と同じくらいの
知名度の蔵馬の周りの人は、何故狙われないんだい?
蔵馬 :狙われたじゃないですか。暗黒武術会の時もそうだし、黄泉の時もあったし。
ぼたん:ああ、そう言えばそうだったねぇ。
蔵馬 :そうですよ。やはり命を狙われてしまいますからね。
ぼたん:ふーん・・・。
蔵馬 :?どうしました?
ぼたん:いいや。さて、食器片づけるかな!!蔵馬、先にシャワー浴びていいからね
蔵馬 :ああ。
ぼたん:(なんで私は命を狙われないのかな?まっまさか・・・蔵馬の彼女だと言う認識
がされていない!?ガーン)
*翌朝
ぼたん:それじゃ、今日は少し帰りが遅くなるから。
蔵馬 :ああ、気を付けて
ぼたん:はいよ、じゃーね!!
*霊界
かえで:ぼたん!お早う!!
ぼたん:おはよう
かえで:昨日部屋にいなかったでしょ?何処に行ってたの?
ぼたん:え?人間界だよ
かえで:人間界?ああひなげしの所か
ぼたん:違うよ、蔵馬の所だけど
かえで:蔵馬さんの所・・・?
ぼたん:(やっぱり認識されてないんだ・・・)
*その日一日ぼたんは心ここにあらずで仕事をこなした
昼休み
ぼたん:ふう。
幽助 :おっす!どうした不景気な顔してよ
ぼたん:幽助!!あんた霊界になんでいるの?
幽助 :魔界の帰りだよ。ちょっくらコエンマのご機嫌うかがいにでもと思ってよ。それ
より、何かあったのか?おめぇにしちゃ、珍しく暗いじゃねぇか
ぼたん:うーん・・・
幽助 :よし!今回は大負けにしてタダで相談受けてやる!
ぼたん:あんたのタダは後が怖いから嫌だよ
幽助 :あた!そうでなくて!どうせ蔵馬がらみだろ?
ぼたん:!!(赤面)
幽助 :ほらな図星だ。おめぇが悩む事って言ったら、そんぐらいしかねぇもんな
ぼたん:失礼だね!それ以外にもあるわよ
幽助 :ほぉぉぉぉ。そいつは面白い。聞いてみたいもんだな!
ぼたん:う・・・今は違うけど・・・。
幽助 :ほら、やっぱり蔵馬のことじゃねえか。で、どうしたんだよ。蔵馬がとうとう浮
気でもしたか!?あんだけ美人に囲まれれば、蔵馬も悪い気はしねぇもんな!!
ぼたん:違うよ!あんたと一緒にしないでおくれよ!
幽助 :あのな!俺は蛍子一筋!!浮気はしてねぇ!今の所は!!
ぼたん:今の所は・・・ね。蛍子ちゃんは、幽助の彼女だって魔界でも認識されてるもん
ね
幽助 :はぁ?
ぼたん:ほら、前にも蛍子ちゃん妖怪に襲われたもんね。幽助の弱点としてさぁ
幽助 :ああ、そんな事もあったな
ぼたん:あたしゃ、それがないんだよ
幽助 :はぁ?
ぼたん:だから、私は蔵馬の人質として命を狙われた事がないんだよ。蔵馬のお母さんは
何度となくあるってのに、私は一度もないんだよ!?
幽助 :はぁ。
ぼたん:だから、蔵馬の彼女として認識・・・されてないのかな・・・って思ってさ
幽助 :(呆)・・・お前、バカだとは思ってたけど。ここまでとはなぁ
ぼたん:なっ!?そりゃどーゆー意味なんだい!?ったく、こっちは真剣に悩んでるのに
幽助 :怖ぇからだよ。
ぼたん:私が?
幽助 :そう。蔵馬の奴は母親の事でも冷静にいられる。まぁ多少は落ち着きがなくなる
が自分を見失う程じゃないからな。でも、ぼたんに関しては違うんだよな。
ぼたん:え?だって、私狙われた事がないのに何で分かるんだい?
幽助 :それは狙われる前に始末しちまうからだろ。
ぼたん:始末・・・?
幽助 :これは口止めされてたんだけどなぁ・・・
ぼたん:・・・
幽助 :(チラ)まっ、いっか!何度か狙われた事はあるんだけどよ。狙われたって表現
は可笑しいな。お前に恋焦がれていた奴が何人かいてよ、お前に近付こうとした
んだよ。そしたら、それを察知した蔵馬がそいつらの所に行って一言。
蔵馬 :『殺しますよ。』
幽助 :そうそう、そんな感じで言ってな・・・って・・・ゲッ!蔵馬!!!!
蔵馬 :どうも。
ぼたん:!?どうしたんだい!?会社はどうしたんだい!?
蔵馬 :いえ、ちょっとヤボ用がありまして魔界の方に行ってたんだですよ。(ニコ)そ
れよりも幽助、わかってるよね。
幽助 :へ!?なっなんの事だか〜?お!?いけねぇ!蛍子に早く帰れと言われていたん
だった。じゃな!
ぼたん:あ、幽助!!
蔵馬 :で、何のお話ですか?
ぼたん:どの辺りから聞いてたの?
蔵馬 :恋いこがれてって所辺りからかな。
ぼたん:・・・
蔵馬 :さて、どう言う事ですか?話してくれますね。
ぼたん:・・・。
蔵馬 :幽助には話せて、俺には話せないの?
ぼたん:・・・怒らない?
蔵馬 :俺はぼたんに怒ったことはないよ。で?
ぼたん:命を・・・狙われた事がないから
蔵馬 :え・・・?ぼたんは命を狙われたかったんですか?
ぼたん:違う!!もう!だからね、蔵馬の人質として狙われた事がないから、私は蔵馬の
恋人として周りに認識されていないんだなぁと思って
蔵馬 :(クス)そんな事を悩んでいたんですか
ぼたん:そんな事ってねぇ!!
蔵馬 :ぼたん、まだ時間は大丈夫?
ぼたん:うん
蔵馬 :じゃ、ちょっと魔界に付いて来て
ぼたん:うん。
*魔界
ぼたん:どこに行くんだい?
蔵馬 :此の辺りでいいかな
ぼたん:?
蔵馬 :少しここで待っていて下さい。決して動かないでくださいね。すぐに戻りますか
ら
*蔵馬いなくなる
ぼたん:・・・
*30分経過
ぼたん:すぐに戻るって言って・・・なんかあったのかねぇ。でも動くなって言われてる
し・・・。
妖怪1:あれ?何か臭せぇと思ったら、、やっぱり女だ!
妖怪2:おお、ホントだ
ぼたん:・・・まずい。
妖怪1:んー?お前、もしかして「ぼたん」か?
ぼたん:え・・・そうだけど・・・
妖怪2:やべぇよ、早く逃げようぜ
妖怪1:ああ!あの俺達と話した事は忘れてください!!
ぼたん:え?
妖怪2:まだ死にたくないですから!!
ぼたん:ちょっと待ってよ、どう言うこと?
妖怪1:お前あの妖狐蔵馬の女だろ
ぼたん:(紅潮)う・・・うん・・・
妖怪12:やっぱりぃぃぃぃぃぃ!!!!!
ぼたん:?
妖怪1:俺達まだ死にたくねぇ!お前に手出しすれば命はねぇからな!
妖怪2:本当だぜ!お前に手出ししようとしてあの妖狐に始末されたやつなんて数知れず
だぜ。じゃーな!!
ぼたん:ぽかん・・・。
蔵馬 :お待たせしました。
ぼたん:蔵馬、始末したって・・・殺したの・・・?
蔵馬 :そうだと言ったら?俺は貴方が何よりも大切だから、どんな罪な事でもやる。あ
なたを護るためなら。
ぼたん:駄目・・・だよ、そんな事しちゃ。私は大丈夫だから・・・
蔵馬 :ぼたん
*蔵馬はぼたんを抱きしめる
蔵馬 :安心して下さい。殺してはいませんよ。ただ少しお仕置きをしただけです。二度
と俺のぼたんに近付かないようにね。(にこ)
ぼたん:もう!くすくすくす
蔵馬 :さて、帰りますか!
ぼたん:うん!
*数日後
妖怪3:あの、ぼぼぼぼぼぼぼたんさん
ぼたん:ん?何か私に用事かい?
妖怪3:あの、その、えっと・・・。
ぼたん:あ。
蔵馬 :(ニーッコリ!)なんですか要件なら俺が聞きますけど?
ぼたん:(苦笑)
蔵馬 :ちょっと向こうで要件聞いてくるから
ぼたん:蔵馬!
妖怪3:ぎえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!
ぼたん:(冷汗)
蔵馬 :さて、お待たせしました。この花を渡したかったみたいですよ
ぼたん:さっきの妖怪は?
蔵馬 :さぁ?(ニーッコリ!!)
ぼたん:(ゾク)
妖怪4:そういやぁ聞いたかよ、霊界のぼたんちゃんに告白しようとした奴!
妖怪5:何!?そんな奴いたのかよ
妖怪4:幼児退行しちまったらしいぜ
妖怪5:そりゃ、そうだろうよ。あの妖狐蔵馬の女に手を出す方がバカだよ
妖怪4:だよな。女の事になると蔵馬の奴は見境がなくなるって話しらしいぜ
妖怪5:氷のように冷たくなるってな!
妖怪4:今までの伝説以上だって話しだもんな
妖怪5:くわばらくわばら。
妖怪4:命かけてまで声かけられんねぇよな
妖怪5:本当だぜ。
END
ここまで読んで下さり、誠にありがとうございます。
昔に書いた作品をそのまま掲載させて頂きました。
つたない文章で、本当に申し訳ないです(^_^;)
冬牙の中でぼたんと蔵馬と言うのはお互いを尊重し合ってる
中にも、ギャグがあり、ちょっといじめちゃうようなところもありってイメージがあります。
とくに蔵馬はあまり感情を表に出さないので、ぼたんちゃんの不安なんて
のも両思いになったばかりの頃はあったんじゃないかなあーって
思います。
でも、ぼたんの悩みも蔵馬はしっかりと受け止めて
ちゃんと答えを導き出してくれる存在だと思いました♪
ここまで読んでくださいましたお嬢様方、
心より御礼申し上げますm(_ _)m
マスター 冬牙