こちらの作品は18禁作品になります。

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マスター  冬牙






































What’s the hurry?  後編


***kurama*botan




「・・・っ」

 呼吸さえ貪り奪うような激しい口付けの合間、ぼたんは酸素を求めて口を開けた。
けれど十分に息継ぎが出来ぬうちに更に深く貪られ、硬い感触の制服を握る手に力を込める。
頭の芯が甘く痺れていくのがわかった。
全身から力が抜けていく。
 決して広いとは言えぬこの準備室は図書室と同様に本棚が何列も設置されており、通路
は人が擦れ違うことも難しそうな程狭い。
もっとも、ここに立ち入るのは図書室の管理を任されている蔵馬と教師数人だろうから問
題は無いのかもしれないが。
 そんな狭い通路に腰を下ろすと、蔵馬は頬を上気させて蕩けているぼたんを自分の上に
座らせた。

「・・・くらま・・・?」

 蔵馬の意図が掴めず、ぼたんはされるがまま彼の両肩に手を付いた。

「ぼたんは本当にうちの制服が似合いますね」

 耳元で囁かれ、ぼたんはぞわりとした感覚に肩を竦めた。
注意が逸れたのと同時にカーディガンの裾から手を差し入れられる。
熱く湿った吐息とは裏腹の冷たい指先に、瞬時に肌が粟立つのを感じた。

「ち、ちょっと、蔵馬っ!?」
「そんな大きな声を出すと、図書室にまで聞こえてしまいますよ」

 驚いて声を上げたぼたんの耳元で再び囁く声は意地悪く、返す言葉に詰まってしまう。

「で、でもこんな場所で・・・」

 気持ち声を顰めながら狼狽えるぼたんの唇を塞ぐと、蔵馬はそれ以上の抵抗は許さない
と言わんばかりに性急に指を進めていった。
 掌で包み込むように乳房を覆い、その柔らかな感触を味わうように揉みしだく。
指先が豊かな弾力に埋まる度、先端が紅く尖っていく。あまりに正直過ぎる腕の中の身体
に、蔵馬は思わず口端を歪めた。

「ぼたん・・・いつもより感じてないですか?」
「・・・そ、んなこと・・・っ」

 目の前に突き付けられた事実を必死に否定するように、ぼたんはふるふると首を左右に
振った。

「・・・じゃ、確かめてみましょうか」

 そんなぼたんの態度を見透かしていたかのようにクスリと口端だけで笑うと、短いスカ
ートの裾から覗いている白い太腿を撫で上げた。
さわさわと焦らすように触れれば、待ち切れないと腰が揺らめく。
そのまま一際熱を持った奥まった秘所に指を滑らせ、蔵馬は満足そうに微笑んだ。

「・・・ほら、やっぱり」

 自分が教え込んだ通りに反応し強請るその身体が愛しくて、いつもはもう少し焦らして
遊んでやるところを、今日は一気に指を埋めた。
途端にぼたんが背中を撓らせた。

「こんな場所で、こんなに感じているの?」

 揶揄かうように囁くと、ぼたんは頬をサッと紅く染めた。
自然に滲んだ涙で潤んだ瞳が蔵馬をキロリと睨む。
誰の所為だと言わんばかりの恨めしそうな瞳。
それを優しく見つめ返し、蔵馬は前髪をかき上げると小さな額にそっとキスを落とした。
 中で蠢く指が増え、敏感な場所を刺激する。
はしたなく溢れ滴る雫。
どうしたって部屋中に響く湿った音に、ぼたんはきつく瞳を閉じた。
いつの間にか目の前の男に従順になってしまっている自分の身体が恨めしい。
こんなにも淫らな自分を無理矢理自覚させるこの男が恨めしい。
それを全て受け入れた上で更に先を強請ってしまう自分自身が何よりも恨めしい。
 けれど、こんな自分は意外と嫌いじゃない。
大好きな人が与える悦楽が、更なる高みに連れて行ってくれることを知っているから。
否、知らぬ間に自分の身体がそう覚え込んだから。
 暫しぼたんを弄んでいた指を引き抜くと、蔵馬は間髪入れずに自身を押し進めた。
先程とは全く違う圧迫感に、ぼたんが小さく息を呑む。
顎を上向かせたせいで露わになった細い首筋に、吸い寄せられるように口付ける。
ふと悪戯心が涌いてきて、蔵馬はそこを殊更に強く吸い上げた。
 そっと唇を離すと、色白の滑らかな肌に一点だけ紅い華が咲いていた。
彼女を抱く度必ず残す、独占欲の証。
蔵馬は満足そうに微笑むと、性急に華奢な身体を突き上げた。
紅い唇から嬌声が漏れる。
甘く甘く聞こえるその声は熱を持って室内を満たす湿った空気に混ざり、溶けていく。
徐々に激しく揺さぶられながら、ぼたんは自らキスを強請る。
自分を誘う唇に噛み付くように口付けながら、蔵馬は彼女を高みへと突き動かした。



 正門を出て、駅までの道を並んで歩く。
木枯らしが身に染みて、ぼたんは不意に首を竦めた。
その横で蔵馬がクスリと笑う。

「寒くないですか?」
「誰かさんの所為で、余計に寒いよ!」

 ぼたんは口を尖らせると、ニッと笑顔を見せた。

「それは申し訳ないことをしましたね。・・・でも、俺はあくまでぼたんの期待に・・・
っていたた、痛いですって」

 ポカポカと胸を叩かれ、苦笑しながらぼたんを宥める。
機嫌の変わりように蔵馬は思わず自分自身で呆れてしまうが、愛しい恋人が誰よりも近く
に居るのだからそれも仕方が無いと思える。

「さっきの妖怪には、今度一緒に差し入れでもしましょうか」

 さり気無く自分も同伴でと主張すると、ぼたんは一瞬驚いて見せたが、やがて嬉しそう
に頷いた。
 どちらからともなく手を繋ぐ。
指先から伝わる互いの温もりが、先程までの情事を思い出させて知らず頬が熱くなる。
あんな場所で行為に及んでしまった恥ずかしさが残っているのか、ぼたんがほぅと息を吐
くと、その隣の蔵馬は思いの外良い場所を見付けたと満足げに瞳を細めた。

「・・・もうすぐ、クリスマスですね」

 今月に入ってから急に煌びやかに装飾された広場の大きなツリーを見上げ、蔵馬が呟いた。

「今年ももう終わりかぁ、早いもんだねぇ」

 感慨深げに言いながらぼたんもツリーを見上げる。
既に暗くなった空に、色とりどりの電飾が鮮やかに浮かび上がっていた。

「クリスマスは何かご予定でも?」

 蔵馬はそう言うと、ツリーから視線をぼたんに移した。
確信的な笑みを含んだその顔に、ぼたんは頬を膨らませた。

「蔵馬と過ごす以外何も無いってわかってるくせに、本当に意地悪だね!」

 ぷいとそっぽを向いてしまった彼女の水色の髪の毛が揺れる。

「ごめんごめん・・・じゃ、今年も俺が予約させてもらいますからね」

 蔵馬は笑いながらぼたんを振り向かせ、片目を瞑って見せた。

「予約しても良いけど、キャンセル不可だよっ?」

 大きな瞳に悪戯な色を滲ませながら見上げるぼたんの頭を撫でると、蔵馬は了承の意味を込めて彼女の頬に小さなキスを贈る。
 街中が浮かれるクリスマスまでもう少し。
今年も変わらずに寄り添う恋人を、ツリーの光が静かに照らし出していた。

=終=


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うわぁ!!!
冬牙の私室初めての裏モノですよ〜。
ドキドキ。

こちらの小説は、結華様から私のイラストを見て
書いて下さった小説です。
もう、あまりに素敵な話過ぎて・・・顔が(*^_^*)

結華 様、 本当にありがとうございました!!
我がサイトの家宝に致します!!!


マスター 冬牙