タイトル 「 この私が本当に・・・ 」



SS

話し合いなど、埒があかない。
結局は、工藤新一の弱味として彼女は連れ去られただけだ。

未だに自分の体を取り戻す事が出来ない奴では
この場に来る事は叶わない。

「本当に、バカな怪盗だ。たかが女一人に踊らされて、滑稽だとは思わないのか?」

滑稽?
ああ、そうかもしれない。
俺の心を唯一、盗み出した彼女。
彼女の為なら、この命が惜しいとは思わない。


「女性を拒むような言動をしている貴方には、勝ち目はない。」
「なんだと?」

不愉快げに視線を投げかけられる。
フッ・・・と笑みを浮かべると、奴の前へと手を伸ばした。

「な、なんのマネだ!!もはや、お前に逃れる術はないはずだ!!」
「この私が、本当に何の準備もなく、ここに来たとお思いですか?」


パチンと指を鳴らした。


次へつづく



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マスター 冬牙