タイトル 「 蘭を・・・ 」



SS

煙幕と共に、一瞬姿を消す。
その瞬間に、銃撃の轟音。
周りにいたSPが、次々と倒れていく。
俺は自分の銃を、懐にしまうと、ゆっくりと倒れているSPに近づいた。


「ケホッ!ケホツ!ど、どこに行った!!女がどうなっても・・・!!!」

パシュン!!

奴の手に握られていた拳銃は、見事に弾き飛ばした。
煙幕が少しづつ晴れて来るとともに、ゆっくりと奴に近づいた。



カチャリ・・・


「なっ!?」


俺の手には、マシンガンが握られていた。
照準はもちろん、奴。
この距離であれば、脅しには十分だろう。


「蘭は何処です?」

「い、いいのかよ。俺を殺せば、女の命は一緒に失くなる。」

ピク・・・。



「へへへ。さぁて、何処かな?いつものポーカーフェイスが崩れてるぜ、
怪盗キッドさんよ。」

奴の狙いは、俺の盗みの技術力が欲しいだけ。
三流が思いつくと言えば、ありきたりな交渉。
最初からどんな交渉にも、乗るつもりはなかった。

チラリと奴の裏にある深紅のカーテンを見つめた。



「彼女を・・・蘭を返して頂きましょうか。」




次へつづく



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マスター 冬牙