タイトル 「 10年後・・・。 」
「お前は何処にでも現れるんだな、ったく。」
「あったり前じゃーん♪蘭のいるところ、常に俺ありだからね♪」
放課後、蘭と一緒にケーキでも食べようかと言う話しになって
駅前の喫茶店に向かおうとしていた時、突如現れた奴。
黒羽快斗。
「本当にびっくりしちゃったよ。快斗の話ししたら、現れるんだもん。」
「蘭が俺を呼んだような気がしたからね。」
「ケッ。単なるストーカーじゃねぇか。」
「なんだと?」
「なんだよ。」
蘭を間に挟んで一睨み。
10年前に会ったきり、会う事がなかったヤツなのに。
高校生になった途端に、蘭に会いに来やがった。
しっかり、待ち伏せしたのは明白なのに、まるで偶然かのように、装って。
蘭は完全に騙されているが、俺は騙されなかった。
「ほんとに暇なヤツだな、お前。」
「うるせぇなー。推理オタクに言われたくねぇぜ。」
くいくい。
蘭が俺と黒羽の袖をひっぱった。
俺達は同時に蘭の事を見た。
「喧嘩はだめだよ?仲良く…ね?」
にっこり笑った蘭の笑顔に、二人で釘付けになった。
ったく。
蘭に言われたら、これ以上の事は言えない。
「「はい。」」
まともに返事してしまう俺達二人。
ほんとに蘭にはかなわない。
つづき
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マスター 冬 牙