注意:こちらの作品は小説ではなく会話形式になっております。
嫌悪感を抱く場合がございますので、ご了承の方のみ
ご覧下さいませ。
『 告白 ・後編 』
※蔵馬につれられて、人間界にやてきたぼたん
ぼたん:こっちは随分と寒くなってきたねぇ。
蔵馬:もう11月も後半ですからね、仕方ないですよ。
ぼたん:で、今日はどこに連れて行ってくれるんだい?
蔵馬:(くす)秘密。
ぼたん:?
*蔵馬の家
ぼたん:ちょ・・・ちょっと、ここって・・・。
蔵馬:俺の家ですよ。母さんが是非に会いたいって言ってね。夕食用意してくれてるんで
すよ。
ぼたん:え・・・でも・・・。
蔵馬:大丈夫ですよ、ちゃんと説明してありますから。(にっこり)
ぼたん:説明ってなん・・・ちょ、蔵馬!!!
蔵馬:ただいまー、母さん、ぼたん連れて来たよ。
母:あらあら、いらっしゃい。あら、本当に可愛い娘ねぇ・・・秀一が惚気るのも分かる
気がするわ。
ぼたん:惚気るって・・・。
母:初めまして、秀一の母です。
ぼたん:はじめまして、ぼたんです。秀一さんにはいつもお世話になって。
母:あら、秀一の方がお世話になってるんじゃなくて?さぁ、堅苦しい挨拶は終わりにし
て、上がってちょうだいな。
ぼたん:お邪魔します。
周一:秀兄、おかえ・・・。
*ぼたんを見て、瞬時に顔を赤くする蔵馬・弟
蔵馬:弟の周一。
ぼたん:(にっこり)初めまして、ぼたんです。よろしくね、周一君。
周一:あ・・・はい(赤面)
蔵馬:取りあえず俺の部屋に案内するよ。
母:あらやだこの子ったら放心してるわ。(くすくす)
ぼたん:え・・・あの・・・
*蔵馬は、さりげなく周一を背にするように立つ。
蔵馬:(スッ・・・)周一、そこどいてくれるかな。ぼたんが通れないから。
周一:ああ、ごめん。
ぼたん:(にっこり)
周一:(赤面)
*蔵馬の部屋
ぼたん:はぁー緊張したぁ!!!心の準備もあったもんじゃないよ、まったく。
蔵馬:(苦笑)すみません。どうしても話しがしたくて、ジャマが入らない場所ってここ
しか思い浮かばなかったんですよ。
ぼたん:話し?
蔵馬:まぁ、まだ時間はありますからね。お茶持ってくるんで、ちょっと待っていてくれ
ますか?
*リビング
蔵馬:母さん、お茶を・・・って何?
母:(くすくす)周一君に遅い春が来たみたい。
蔵馬:へ?
周一:秀兄、ぼたんさんって秀兄の彼女なんだよね・・・はぁ、なんで・・・。
蔵馬:残念ながら・・・まだ、彼女じゃないよ(そのウチなると思いますけど)
母:え?そうなの!?
蔵馬:うん・・・まだ交渉中。
母:あら、でもとっても親密に見えたけど?
蔵馬:俺は随分前から片思い中なんだけど・・・。
母:そうなの・・・頑張って!秀一
蔵馬:ありがとう、母さん。(にっこり)
*蔵馬の部屋
ぼたん:窓から何度かお邪魔した事あったけど、玄関からって長い付き合い初めてだねぇ。
蔵馬:お待たせ。
ぼたん:悪いねぇ、
蔵馬:いいえ。最近はどうなんですか?
ぼたん:別にこれと言って変わりはないさね。
蔵馬:そうなんですか?それにしては随分と忙しいようじゃないですか、幽助達とも連絡
を取らない程なんて。人間界にはちょくちょく来てるんでしょ?
ぼたん:うーん・・・まぁね。
蔵馬:どうかしたんですか?
ぼたん:いや・・・。
蔵馬:悩みがあるなら聞きますよ。
ぼたん:え。
蔵馬:話せば楽になるって事もあるでしょ?口外もしませんしね。
ぼたん:そんな別に蔵馬が誰かに話すなんて事思ってないよ・・・ただこれは自分が解決
しないといけない事だから・・・。
蔵馬:何があったんです?それとも俺じゃ頼りになりませんか?
ぼたん:いや・・・(そんな、まさかあなたの事で悩んでますなんて言えないよぉ)
蔵馬:桑原君のお姉さんも気にしてましたよ。早く会わせろって探していたみたいですし。
ぼたん:ああ・・・そっか。(そう言えば蛍子ちゃんと静流さんに好きだって事言ってそ
れから何も話してなかったけ・・・)
蔵馬:ぼたん?
ぼたん:いや・・・その・・・なんて言うのか・・・
蔵馬:俺には話せないんですか?
ぼたん:う〜・・・うん・・・ごめん。
蔵馬:そうですか・・・それは残念ですね。
ぼたん:心配してくれてるのに、ごめんよぉ!怒ったかい?
蔵馬:・・・。
ぼたん:蔵馬?
蔵馬:別に、怒ってませんよ。(苦笑)ただ府外ない自分が嫌になっただけです。
ぼたん:そんな、蔵馬がそんな風になることは。
蔵馬:そりゃなりますよ。あなたの悩み一つ解決出来ないんですから。
ぼたん:・・・。
母:秀一ーお電話よぉ、桑原さんって方から。
蔵馬:はい。ちょっと待ってて下さいね。
ぼたん:あいよ〜いってらっしゃい♪
*下へ行く蔵馬。
トルルル
ぼたん:はい・・・ありゃ静流さんだ。もっしもーし。
静流:やっと繋がった。今、人間界にいるんだろ?
ぼたん:いるけど、何かあったのかい?
静流:・・・ぼたんちゃん、今どこにいるの?
ぼたん:え?今は蔵馬の家だよ。
静流:なーんだ、心配して損したかしら?(ニヤニヤ)
ぼたん:違うんだよぉ、蔵馬に何悩んでるのかって、詰問されてて・・・困ってるんだよ
ぉ。(T_T)まさか本人にあなたの事ですなんて言えないし。
静流:ちょうどいいじゃないか、言っちゃいなよ。どう思ってるか。
ぼたん:な!?言えるわけないじゃないさ!!!
静流:大丈夫、美味くいくから。
ぼたん:でもぉ。
静流:このままでいいのかい?このまま蔵馬君に彼女が出来て指くわえて見てるってのか
い?
ぼたん:それは・・・いやだ。
静流:なら、決まりだね。和、もういいよ!
ぼたん:へ?
静流:じゃーね♪
ぼたん:・・・みんな・・・。
*ギュっと携帯を胸の前で握りしめる。
ぼたん:わたし、頑張ってみるよ・・・。
*戻ってくる蔵馬
ぼたん:桑ちゃん、どうかしたのかい?
蔵馬:ええ、なんだか要件がよくわかりませんでしたけど。
ぼたん:そうかい・・・でさ、蔵馬。
蔵馬:はい?
ぼたん:えっと・・そのちょっと・・・聞きたい事があるんだけど・・・
蔵馬:なんでもどうぞ?(ニッコリ)
ぼたん:えっと・・・
蔵馬:?
*10分経過
母:二人とも、御飯ですよぉー。
蔵馬:はーい!
ぼたん:!!
蔵馬:(苦笑)別に焦らなくていいですよ。取りあえず御飯行きましょうか。
*蔵馬は立ち上がり、ぼたんに背をむけて、扉のノブに手をかける。
ぼたん:あ・・・蔵馬は私の事、どう思ってるだい!?(赤面)
蔵馬:・・・え・・・。
*ゆっくりと振り返る蔵馬
ぼたん:(赤面)その・・・えっと・・・
*ぼたんの前に膝間つき、真剣な眼差しでぼたんを見る蔵馬
蔵馬:それはどう答えればいいんですか?
ぼたん:えっと・・
蔵馬:恋愛対象としてですか?それとも仕事、いや仲間としてですか?
ぼたん:・・・両方・・・・で。
蔵馬:(くす)仲間としては信頼してますよ。
ぼたん:え・・・
蔵馬:飛影も言ってましたけど、あなたの治癒能力は目を見張るものがある。上級にしか
出来ない技を簡単にしてますからね。実際、あの戦いでもそれに助けられましたから。
ぼたん:そんなこと・・・。
蔵馬:恋愛としては・・・
ぼたん:・・・・。
蔵馬:誰よりも、何よりも大切です。
ぼたん:え・・・また、冗談なのかい?私は本気で。
蔵馬:・・・。
ぼたん:あ・・・。
蔵馬:冗談だと・・・思いますか?
ぼたん:・・・ううん。
蔵馬:俺はとっくに俺の気持ち気付いてると思ってましたよ。
ぼたん:え。
蔵馬:それとも口に出さないとダメかな?
蔵馬:俺は
蔵馬:ぼたんの事が
蔵馬:好きです。
ぼたん:・・・ほ、ほんとに・・・?
蔵馬:ええ。(にっこり)でなけりゃ、母さんに会わせませんよ。
ぼたん:あ・・・
蔵馬:俺もぼたんの気持ちが知りたい。あなたの口から、聞かして欲しい。
ぼたん:わ・・・たしは・・・
蔵馬:何?
ぼたん:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ぼたん:好き。
蔵馬:(にっこり)俺も。
*蔵馬はぼたんを抱きしめる
ぼたん:!!
蔵馬:もう、俺のモノ・・・だよね?
ぼたん:・・・うん。
蔵馬:俺だけのぼたん・・・。
ぼたん:(赤面)
蔵馬:(くす)そんな可愛い態度しないでよ、理性が飛んじゃうから。
ぼたん:な!?
蔵馬:じゃ、行きますか。母さん達待ってるし。ちゃんと彼女だって紹介したいしね。
ぼたん:え!?
*南野家は大盛りあがり。11時過ぎに蔵馬はぼたんを送りに外にでる
ぼたん:色々とご馳走様でした!
母:これからはちょくちょく遊びに来てくれるんでしょう?
ぼたん:え・・・
蔵馬:(くす)
ぼたん:はい!お邪魔させていただきます!!
母:秀一の事、よろしくね。
ぼたん:こちらこそ、よろしくお願いします。
蔵馬:じゃーぼたんを送ってくるよ。
母:気を付けてね。
ぼたん:はい。
*外
ぼたん:ふぅーお腹いっぱい。
蔵馬:ぼたん、時間はまだ大丈夫?
ぼたん:ああ、私は平気さね。それより蔵馬の方が明日も学校だろ?
蔵馬:俺は別にそんなに寝なくても大丈夫ですから。少し散歩しませんか?
ぼたん:(くす)うん。
蔵馬:そう言えば、ぼたんの悩みってまだ言ってもらえないのかな?
ぼたん:え?ああ、それはもう解決したから。
蔵馬:え?
ぼたん:だってまさかあなたの事で悩んでます、どうしましょう?なんて言えないだろ?
だからさっきは言えないって言ったのさ。
蔵馬:え、じゃ悩んでたのって・・・俺の事?
ぼたん:(苦笑)うん。もうどうしようもなく、蔵馬で頭がいっぱいでさ。こう考えると
胸が苦しくなってどうしようもなくて・・・静流さんには随分迷惑かけたよ。その度に静
流さんの所に行って、話しを聞いてもらってたしね。
蔵馬:そうだったんですか。
ぼたん:しばらくね、行くの辞めようと思ったの。
蔵馬:なんで?
ぼたん:だって甘え過ぎじゃないか。だからさ。
蔵馬:ぼたんらしいね。
ぼたん:さてと、これから大変だ。
蔵馬:大変?
ぼたん:うん。断りに行かないといけないからね。
蔵馬:断る?
ぼたん:(苦笑)怒らないで聞いておくれよ?コエンマ様と飛影と黄泉それと御手洗君に
付き合って欲しいって言われてたんだよ。
蔵馬:へぇ・・・そうなんですか。
*妖気を放出する蔵馬。
ぼたん:蔵馬、妖気がだだ漏れてるって。
蔵馬:あ、すみません。
ぼたん:あ、ででででも、ちゃんと断るから・・・さ・・・(ゴニョゴニョ)
蔵馬:俺のぼたんによくそんな事言えますね。
ぼたん:いや、それっれ蔵馬のものになる前だし。
蔵馬:(くす)
ぼたん:な、なんだい?
蔵馬:いえ、なんか嬉しいなって思って。
ぼたん:え?
蔵馬:だって。
*ぼたんを抱き寄せ、耳元で囁く蔵馬
蔵馬:何度こうしたいと思ったか・・・何度あなたにキスしたいと思ったか。本当に理性
との戦いが大変だったんですよ?
ぼたん:蔵馬、一つ聞いていいかい?
蔵馬:いくつでも。
ぼたん:その・・いつから・・・私のこと・・・
蔵馬:(くす)ぼたんは何時からですか?
ぼたん:え・・・気が付いたのは暗黒武術会の時。
蔵馬:じゃ、一緒ですね。(にっこり)
ぼたん:え・・・。
蔵馬:あの時約束したじゃないですか、絶対に誰も殺させないって。
ぼたん:うん。
蔵馬:あなたを悲しませる事なんて、俺には出来なかったんです。
ぼたん:蔵馬。
蔵馬:それに今までさんざんこちらの気持ちを伝えても冗談としてとっていたのはあなた
でしたしね。
ぼたん:え?だってあれは本当に冗談かと・・・
蔵馬:俺はいたって本気でしたよ。
ぼたん:だって突然さらりと言われてもさ・・・蔵馬もてるし・・・
蔵馬:そう言うことって思った時に言うから、突然ですよ?それにいくらモテても貴方の
愛情が貰えなければ、意味がない。
ぼたん:(てれ)なんか嬉しいやね。今だに信じられないよ、あの蔵馬がこうして隣りに
いるなんて。
蔵馬:じゃ。夢じゃない証でもつけますか?
ぼたん:へ?
*首筋にキスをする蔵馬。赤い華が咲く。
蔵馬:チュッ
ぼたん:いつ・・・蔵馬?
蔵馬:明日、鏡を見れば現実だって思えるでしょ?
*キスマークの後をちょんと指で押す、蔵馬。
ぼたん:ちょ・・・ここじゃ、着物でも隠れないじゃないさ!
蔵馬:だからいいんじゃないですか。まずはコエンマに思い知らさないと♪
ぼたん:(ボン)
蔵馬:あんまり可愛くしてると、このまま襲っちゃいますよ?
ぼたん:あああああああああたし、もう帰る!!!
*蔵馬から急いで離れ、真っ赤な顔で霊界に飛んで行くぼたん。
蔵馬:(くす)あーあ、逃げられちゃった。ま、でも少しづつ慣らせていけばいいか。
おやすみ・・・俺のぼたん。
終わり
いま考えると、この作品から出していくべきだったと反省・・・。
しかも、この前の片思いの時代の奴もあったんだった。
計画性のない冬牙の性格が、こんな所で本領発揮
するとは・・・。
この後に、両思い時代→同棲時代→新婚時代と
続いていたような気がします。
どれも高校の頃に、受験ノイローゼから逃れたくて
書いた作品だから、欲望の赴くまま・・・。
ここまで読んで下さった皆様、本当にありがうございました。
誤字・脱字などございましたら、
深くお詫び申し上げます。
マスター冬牙